1999 Fiscal Year Annual Research Report
リポ蛋白糸球体症に関わるアポ蛋白子異常の腎局所における組織化学的解明
Project/Area Number |
10670982
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
斉藤 喬雄 東北大学, 医学部・附属病院, 助教授 (10125552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 博 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (60215829)
及川 眞一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30142946)
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Keywords | リポ蛋白糸球体症 / リポ蛋白血栓 / アポ蛋白E / ネフローゼ症候群 / 脂肪染色法 / 免疫電顕法 |
Research Abstract |
リポ蛋白糸球体症の病因と考えられる異常アポ蛋白Eが腎局所においてリポ蛋白血栓を形成する状況を、電子顕微鏡(電顕)観察に、免疫電顕法、樹脂ブロックにおける脂肪染色法などを併用することで明らかにした。 1.対象:Apo E Sendaiを有するリポ蛋白糸球体症の他に、18個のアミノ酸欠損型および3個のアミノ酸残基欠損型のアポE異常を有するリポ蛋白糸球体症のそれぞれの腎生検標本を対象とした。また、Apo E Sendai組み換えウイルスベクターを注入したアポEノックアウトマウスにおけるリポ蛋白糸球体症実験モデルの腎標本についても検討を行った。 2.アポ蛋白の免疫組織学的検討:リポ蛋白糸球体症腎生検凍結標本および実験モデル摘出腎凍結標本において、抗アポE抗体を用い酵素抗体法を行った後、エポン樹脂包埋ブロックを作製し、電顕観察を行った。その結果、糸球体毛細管腔内に見られるいわゆるリポ蛋白血栓において、脂肪滴の周囲にアポEの沈着が観察された。 3.エポン包埋樹脂連続切片を用いた脂質染色と電顕観察による検討:リポ蛋白糸球体症のリポ蛋白血栓内で観察される脂肪滴の性状をより明確にするために、電顕観察を行った超薄切切片の連続切片にズダン染色を行った。その結果、糸球体のリポ蛋白血栓は不飽和脂肪酸を含むトリグリセリドが主体であることが示唆された。この結果は、動物実験モデルでも同様であった。さらに、アミノ酸欠損型異常アポEを有する症例では、この種のリポ蛋白を有する動脈硬化が観察された。 以上、当初予定したIn site hybridization法による検討は、それに適した検体が得られず見送ったが、今年度の結果から、異常アポEによるリポ蛋白血栓の実態を組織化学の面から解明することができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 斉藤喬雄: "Lipoprotein glomerulopathy : Significance of lipoprotein and ultrastructural features"Kidney International Supplement. 56・S71. S37-S41 (1999)
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[Publications] 斉藤喬雄: "Lipoprotein glomerulopathy : Renal lipidosis induced by novel apolipoprotein E variants"Nephron. 83・3. 193-201 (1999)