2000 Fiscal Year Annual Research Report
メガリンの近位尿細管での生理的・病的機能の解析とその分子特性の腎臓内科学的応用
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10670989
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
斎藤 亮彦 新潟大学, 医学部, 助手 (80293207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下条 文武 新潟大学, 医学部, 教授 (20126410)
清水 不二雄 新潟大学, 医学部, 教授 (40012728)
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Keywords | メガリン / 近位尿細管 / β_2ミクログロブリン / 透析アミロイドーシス / 尿毒素蛋白 / advanced glycation endproduct / エンドサイトーシス / 尿中マーカー |
Research Abstract |
1)既に、メガリンが、透析アミロイドーシスを惹起する尿毒素蛋白であるβ2-ミクログロブリンを、細胞に取り込み代謝する受容体であることを明らかにしていたが、本年度は、メガリンを発現する細胞が、腎不全動物個体において、β2-ミクログロブリンを取り込み代謝する系を開発した。 2)既に、メガリンを発現する培養細胞(L2細胞)がadvanced glycation endproduct(AGE)を特異的に取り込み代謝すること、そしてその系にメガリンが関係することを明らかにしていた。本年度は、メガリンはその細胞において、AGEの直接の受容体ではないが、間接的にそのエンドサイトーシスに関与することを明らかにした。そこで、その細胞に発現して、AGEと結合し、メガリンと共役的に働いてAGEの細胞内取り込みに関わる分子を検索した。その結果、新規のAGE結合蛋白を発見した。 3)尿中のメガリン排泄量を定量するための測定系を開発していたが、ラットに蛋白尿を惹起させるモデルにおいて、蛋白尿の出現に伴って、近位尿細管上皮細胞による蛋白再吸収が亢進する時期に、尿中メガリン排泄量が増加し、その後、近位尿細管上皮細胞の障害が出現するにしたがって、その排泄量が低下することを明らかにした。すなわち、その測定が、近位尿細管上皮細胞の機能の亢進および低下をモニターする指標になりうることを明らかにした。 4)ポリクローナル抗ヒトメガリン抗体を作成した。その抗体は腎生検組織上において、メガリンを高感度に検出することが明らかになった。その抗体を用いた免疫組織化学的検討により、近位尿細管上皮細胞の蛋白再吸収障害のある患者の腎生検組織においては、メガリンの発現が減弱していることが明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kikuchi, H., Kawachi, H., Ito, Y., Matsui, K., Nosaka, H., Saito, A., et al.: "Severe proteinuria, sustained for 6 months, induces tubular epithelial cell injury and cell infiltration in rats but not progressive interstitial fibrosis"Nephrol.Dial.Transplant. 15. 799-810 (2000)
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[Publications] Li, P., Kawachi, H., Suzuki, Y., Saito, A, et al.: "The prevention of glomeruloscierosis in rats using traditional Chinese medicine, Sairei-to"Nephrology. 5. 83-89 (2000)
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[Publications] Narita, V.Goto, S., Saito, N., Watanabe, Y., Yamazaki, H, Sakataume, M., Shimada, H., Saito, A., et al.: "Gene polymorphisim of polymeric immunoglobulin receptor, transforming growth factor-β1, monocyte chmoattractant protein-1 and RAA system in patients with IgA nophropathy"Nephrology. 5. A51-A52 (2000)
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[Publications] 山崎肇, 斎藤亮彦, 下条文武: "膜性腎症と上皮細胞型スカベンジャー受容体メガリン"医学のあゆみ. 193(1). 75-79 (2000)
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[Publications] Xie, Y, Nishi S., Iguchi, S., Imai N, Sakatstume, M, Saito, A, et al.: "Expression of osteopontin in gentamicin-induced acute tubular necrosis and its rocovery process"Kidney Int.. (2001)