1998 Fiscal Year Annual Research Report
アンジオテンシンII 2型受容体の細胞内情報伝達と細胞増殖抑制作用の解明
Project/Area Number |
10671005
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
篠村 裕之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00235293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西本 育夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80180652)
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Keywords | アンジオテンシン / 受容体 / G蛋白質 |
Research Abstract |
アンジオテンシンIIは2つの膜7回貫通型のGα蛋白共役受容体、すなわちAT1とAT2受容体を介して、ナトリウムの再吸収、血管のトーヌス、それにアルドステロン分泌の調節等を行っていることが知られている。アンジオテンシンIIの古典的な作用の大部分はAT1受容体を介した作用であることか示されているが、最近AT2受容体がAT1受容体に拮抗する作用かあること、それにアポトーシスの誘導、細胞増殖抑制等の固有な作用があることが明らかにされている。現在のところこれらの作用機序は謎につつまれており、AT2受容体の細胞内情報伝達は不明な点が多い。今回我々はAT2受容体のGα蛋白との共役が細胞応答の出発点であることに注目し、AT1およびAT2受容体のGα蛋白共役の全貌を明らかにすることを目的とした。まずGαsをもとにした各種ハイブリッドG蛋白質を作成し、AT1、AT2受容体発現プラスミドと共に発現し、アンジオテンシンII刺激後のcAMPの変化の有無をELISAで判定した。この実験系では受容体がGαxと共役していれば、トランスフェクトされたGαs/Gαxを活性化し、cAMPの増加をもたらすことが示されている(EMBOJ 15:2468-2475,1996,FEBS Lett 406:165-179,1997)。次に血管平滑筋細胞VSMCの膜分画を調整し、^<35>S-GTPySと結合させた後、Gα蛋白に特異的な抗体を用いた免疫沈降を行い、Gα蛋白の活性化の有無を検討した。以上の検討より、AT1受容体と共役する8種類のGα蛋白サブタイプを同定した。一方、AT2受容体に関してはGαi3と共役することが示され、AT2受容体の細胞内情報伝達、それに増殖抑制作用が主としてこのGα蛋白を介して行われていることが示唆された。
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