1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671006
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
船曳 和彦 順天堂大学, 医学部, 講師 (70219088)
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Keywords | Fcレセプター / 糸球体腎炎 / FcRγ鎖欠損マウス / NZB / NZWF1マウス / 抗糸球体基底膜抗体 / 骨髄移植 |
Research Abstract |
昨年度我々は、SLEモデルであるNZB/NZW(B/W)F1マウスのNZBおよびNZWそれぞれのマウスに、炎症反応の鍵を握るFcRγ鎖欠損マウスを交配させ、γ鎖に関して3種類のB/WF1マウス(B/WF1-γ(-/-)、γ(+/-)、γ(+/+))を作成し、その自然経過を観察した。その結果B/WF1-γ(-/-)において経過中に、腎炎の発症は認められなかった。そこで今年度我々は、FcRの量的違いが腎炎の発症にどのような影響を及ぼすのか、1)B/WF1-γ(+/-)マウスを用いて、2)FcRγ鎖欠損マウスに正常マウスの骨髄を移植する系を用いて検討した。 1)B/WF1-γ(+/-)マウスの自然経過を観察した。B/WF1-γ(+/+)マウスに比べて、腎炎の発症時期は遅れ、有意に延命した。2)野生型マウス(WT)に、γ鎖欠損マウスの骨髄を移植したキメラマウス(γ/W)を作成後、馬杉腎炎を惹起した。1200radの放射線前処置を施した後に骨髄移植したγ/Wマウスは、抗血清投与150日後でも、末梢血白血球上のFcRの発現を認めず、腎炎は惹起されなかった。それに対して800radの放射線前処置を施した後に骨髄移植したγ/Wマウスでは、70日目頃よりWTマウスの骨髄の回復を認め、末梢血のFcRに関してはγ(-/-)とWTの混在した状況となった。腎臓においては徐々にループス腎炎様の組織像が観察された。 以上より、FcRの量的な違いによって糸球体腎炎(特にループス腎炎)の病態に明白な違いが示され、このことは腎炎の発症あるいは進展増悪に寄与していることが示唆された。
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