1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671015
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Research Institution | KAWASAKI MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
の村 信介 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20198625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 一郎 重井医学研究所, 超微病理部門, 副部長
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Keywords | アルポート症候群 / 診断基準 / 遺伝子診断 / IV型コラーゲンα鎖 / 糸球体基底膜 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
アルポート症候群の診断が、正しく、かつ平易にできることを目的として、原因物質であるIV型コラーゲンα鎖(以下、単にα鎖と略す)のモノクローナル抗体を用いた免疫組織学的解析を中心にした診断基準の作成を試みた。すべての症例は遺伝子解析によって遺伝形式を確認している。 多くの症例で、以下の共通点が見られた。 1.伴性優性遺伝型アルポート症候群の男性;α3-5鎖が糸球体基底膜(以下、GBM)やボウマン嚢基底膜(以下、BCBM)から欠損する。皮膚基底膜(以下、EBM)においても、α5鎖が欠損する。 2.伴性優性遺伝型アルポート症候群の女性;α3-5鎖がGBMおよびBCBMにおいて、モザイク状に途切れた局在を示す。 3.常染色体劣性遺伝型アルポート症候群;α3-5鎖がGBMから欠損するものの、α5鎖がBCBMに残存する。性差は認めない。 4.常染色体優性遺伝型アルポート症候群;α3-5鎖は正常のパターンを呈し、健常コントロールと区別できない。 5.家族歴を有さない症例(いわゆる孤発例)の多くでは、一部のGBMやBCBMにモザイク状に途切れた欠損が認められ、個体の発生段階に生じた体細胞突然変異を裏付ける所見を呈した。 これらの典型的所見を呈さない症例を少なからず存在するので、α鎖の免疫組織学的解析に加えて、電顕所見や家族歴などを考慮したうえで診断しなければならないことも判明した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nomura S: "Molecular genetic and immunohistochemical study of autosomal recessive Alport's syndrome"Am J Kidney Dis. 31(6). E4 (1998)
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[Publications] Naito I: "Renal distribution of collagen type IV a chains in autosomal-dominant Alport syndrome"Clin Exp Immunol. 2. 58-63 (1998)
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[Publications] Fujieda M: "Alport syndrome with a peculiar pattern of distribution of the a3-a6 chains of type IV collage in renal basement membrane"Nephron. 80. 115-117 (1998)
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[Publications] の村信介: "遺伝性糸球体腎炎(Alport症候群)黒川 清、松澤佑次編集、「内科学、第9章 腎・尿路疾患・水電解質異常」"文光堂、東京. 4 (1999)
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[Publications] の村信介: "Alport症候群 井村裕夫、尾形悦郎、高久史麿、垂井清一郎監修、「最新内科学大系、プログレス10 腎・泌尿器疾患」"中山書店、東京. 16 (1998)