1999 Fiscal Year Annual Research Report
心肺循環における細胞外基質シグナルの関与-マウス胚を用いた研究-
Project/Area Number |
10671024
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
安井 寛 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60210241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森島 正恵 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00241068)
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Keywords | 心臓 / 発生 / 細胞外基質 / インテグリン |
Research Abstract |
心発生にける間葉細胞と心筋細胞の相互作用のなかで、細胞外基質が演ずる役割は大きいと思われる。我々は、1)ファイブロネクチンは心内膜内皮細胞で合成され、その受容体であるintegrinα4は心内膜床間葉細胞に発現していること、2)I型コラーゲン・その受容体であるintegrinα2はともに心内膜内皮細胞・心内膜床間葉細胞で合成されることを報告した。また、ラミニン受容体であるintegrinα6は心筋細胞に発現することを確認した。最近integrin独自のシグナル伝達カスケードが明らかになりつつあるが、様々なのαintegrinを介するheterogenousな活性については、未だ不明である。一方、rho GTPase familyはrho A,B,C,rac-1,-2,cdc42などを含むシグナル伝達分子の一群であり、種々の細胞においてアクチン・コンフォーメーション調節を介して細胞活性制御の中心的役割を担っている。今回われわれは、心形態形成におけるrho GTPase familyの発現を検討し、integrinのheterogenousな発現との関連性を示唆する所見を得た。方法は、1)RT-PCR、2)免疫組織化学により、rhoA,rhoB,rac1,cdc42,rhoGDIの検出を行った。RT-PCRの結果、rhoA,rhoB,およびrac1のmRNAは、actinと比較して明らかに少量であるが、発生段階を通じてほぼ同程度の発現を示すことが分かった。免疫組織化学では、rhoBは胚の心筋細胞内のactin filamentに沿って繊維状に発現しており、一方rhoAは、成獣心の細胞膜及び胚・成獣myofibrilに一致した局在を示した。rac1,cdc42の明確な免疫組織化学的局在は確認できなかった。
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