1998 Fiscal Year Annual Research Report
クリグラーナジャーII型症候群発症のドミナントネがテブ仮説の検証
Project/Area Number |
10671026
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小祝 修 東京理科大学, 理工学部・応用生物科学科, 助教授 (50132923)
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Keywords | ビリルビン / クリグラーナジャー症候群 / 遺伝病 / 黄疸 |
Research Abstract |
クリグラーナジャーII型症候群(CN-II)はUDPグルクロン酸転移酵素(UDPGT)遺伝子が変異を起こすことによって発症する先天性遺伝疾患である。CN-IIは常染色体劣性遺伝と優性遺伝の2つの遺伝形式があることから、発症機構として本酵素が四量体を形成することによって発病するドミナントネガテブ仮説を提唱した。この仮説を証明することが本研究の目的である。まず、本酵素が四量体を形成しているか否かを確かめるために、本酵素を大量に発現させるバキュロウイルスによる発現ベクター系を作成した。ポリへドリンプロモーター支配下でビリルビンに対して酵素活性を示す正常UDPGT発現ベクターを構築しSf9細胞で発現させた。その結果、高活性のUDPGTが発現することを確かめた。また、CN-II患者由来の正常UDPGTの1/2長UDPGを同じくバキュロウイルスで大量発現させることが出来た。次に、得られた正常UDPGTが多量体を形成しているか否かをゲル濾過クロマトグラフィーで調べた。その結果、単量体より大きな溶出位置にUDPGTが検出された。最近、UDPGTはモノマーが強固な結合をするらしいという結果が報告され、SDS電気泳動による追試実験を行った。その結果、二量体、四量体を示す位置にUDPGTタンパク質が検出された。以上の結果は、UDPGTは2量体以上の多量体を形成することを示唆している。更に、より確定的な証拠を得るためにモノマーをクロスリンカーによって架橋させ、オリゴマー形成が観察されるか否かの生化学実験を進めている。一方、本酵素がどのような遺伝子産物と相互作用しているかを確かめるために、酵母のTwo Hybrid法を用いて相互作用する遺伝子の単離を進めている。
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