1999 Fiscal Year Annual Research Report
クリグラーナジャーII型症候群発症のドミナントネガテブ仮説の検証
Project/Area Number |
10671026
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Research Institution | Science University of Tokyo |
Principal Investigator |
小祝 修 東京理科大学, 理工学部・応用生物科学科, 助教授 (50132923)
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Keywords | ビリルビン / クリグラーナジャー症候群 / 遺伝病 / 黄疸 |
Research Abstract |
本酵素を大量に発現させるバキュロウイルスによる発現ベクター系の作成。ゲル濾過クロマトグラフィーでの溶出位置の解析。SDS電気泳動による多量体形成の検証。昨年度行った以上の実験により、UDPGTは2量体以上の多量体を形成することが強く示唆された。今年度は更に、より確定的な多量体形成の証拠を得るためにモノマーをクロスリンカーによって架橋させ、オリゴマー形成が観察されるか否かの生化学実験を進めた。この実験は実験条件の設定が難しく、明瞭なオリゴマーを形成しているのかを確定することが出来なかった。そこで、分子と分子との相互作用が実際にタンパク質のN末で起こっているのかを明確にするために、クリグラーナジャーII型の患者のUDPGTに相当するポリペプチドを大腸菌で大量発現させ、そのタンパク質がオリゴマーを形成するかをin vitroで調べた。患者の短いUDPGTのN末にGSTを結合させたGST融合タンパク質、一方、同様にしてN末にヒスチジンタグを結合させたヒス融合タンパク質を作成した。両融合タンパク質が相互作用して多量体を形成するかを、グルタチオンセファロースカラムにあらかじめGST融合タンパク質を結合させておいて、次にヒスチジン融合タンパク質を発現している粗抽出液をそのカラムに通した。カラムを洗浄後、グルタチオンで結合タンパク質を溶出させ、Western blottingによって両融合タンパク質が結合しているかを調べた結果、両タンパク質が結合していることが明瞭に示された。この実験結果によって、クリグラーナジャーII型症候群はヘテロのナンセンス変異にもかかわらず、ドミナントネガテブによって重篤な遺伝病として発症することが証明された。
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