2000 Fiscal Year Annual Research Report
本態性高血圧症に関する遺伝子異常の解析-副腎酵素異常と高血圧-
Project/Area Number |
10671040
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Research Institution | UNIVERSITY OF THE RYUKYUS |
Principal Investigator |
小宮 一郎 琉球大学, 医学部, 助教授 (50162061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島袋 充生 琉球大学, 医学部, 講師 (60271144)
芳田 久 琉球大学, 医学部, 講師 (50210711)
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Keywords | 本態性高血圧 / CYP11B2 / 遺伝子多型 / アルドステロン / レニン活性 |
Research Abstract |
1.アルドステロン合成酵素遺伝子異常の解析 本態性高血圧患者73名と正常血圧者134名のアルドステロン合成酵素遺伝子(CYB11B2)多型(promoter領域-344T/C、exon 3 Lys^<173>Arg)を検討した。アルドステロン/レニン活性比(PAC/PRA、cutoff値:300pg/ml per ng/ml/hr)により、本態性高血圧患者を2群に分けた(高PAC/PRA:低レニン群29名、正・低PAC/PRA:正・高レニン群44名)。PCR-RFLPにて解析した。【結果】Lys^<173>Argと-344T/Cは連鎖不均衡にあり、Arg^<173>と-344Cは一致した。Arg^<173>(-344C)allele頻度は全高血圧患者と正常血圧者間に差はなかったが(34% vs.37%)、低レニン群と正・高レニン群間では有意な差を認めた(22% vs.41%)。 2.ACE及びG蛋白β-subunit遺伝子異常の解析 同じ対象者でのACE遺伝子Insertion/Deletion(intron 16)の検討では、ACE D allele頻度は低レニン群で31%、正常血圧者群で29%、正・高レニン群で39%と有意差を認めなかった。G蛋白β-subunit遺伝子(GNB3)多型の検討では(exon 10,C825T)、TT genotype頻度は低レニン群では正常血圧者群より低い傾向を認めたが(29% vs.38%)、T allle頻度は低レニン群で53%、正常血圧者群で54%、正・高レニン群で56%と有意差を認めなかった。 3.今後の展開 angiotensinogen遺伝子、α-adducin、angiotensin II type I受容体遺伝子異常について検索しているが、群間で有意差は認められてない。今後はCYB11B2多型の上記ハプロタイプの差異によるアルドステロン合成能の解析も行う。上記1の結果はHypertension 35:699-703,2000に発表した。上記2の結果はJ Hypertensに投稿中である。
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