1998 Fiscal Year Annual Research Report
グルカゴンによるアルドラーゼB遺伝子の転写抑制機構
Project/Area Number |
10671055
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
石川 喜一 山形大学, 医学部, 教授 (40018312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井内 良仁 山形大学, 医学部, 助手 (60272069)
葛巻 丈二朗 山形大学, 医学部, 助教授 (70211208)
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Keywords | アルドラーゼ / 遺伝子発現 / グルカゴン / 初代培養肝細胞 / 糖代謝 |
Research Abstract |
我々は糖代謝酵素の一つで肝臓に特異的に発現するAldolase B(AldB)遺伝子の発現がグルカゴンによって強く抑制されることを見いだした。本年度はその発現抑制機構を明らかにするために、次の2点を中心に検討を行った。 (1) グルカゴンのAldB遺伝子転写抑制に到るシグナル伝達様式 グルカゴンはcAMP/PKAの刺激伝達系を介してAldB遺伝子の転写抑制をしているかどうかを調べるために、PKAの阻害剤であるH-7を用いて検討した。H-7は初代培養肝細胞においてグルカゴンによるAldB遺伝子の転写抑制を阻害した。また、グルカゴンと同様の転写抑制が細胞内cAMPを上昇させるforskolinやdbc-AMPでも観察された。以上のことからグルカゴンはcAMP/PKAの刺激伝達系を介してAldB遺伝子の転写抑制をしていると結論した。 (2) AldB遺伝子転写抑制に機能するエレメントの同定 グルカゴンがcAMP/PKAの刺激伝達系を介してAldB遺伝子の転写抑制をしていることがわかったのでその応答領域を調べるためにAldB遺伝子の5'-上流領域について、いろいろな長さの領域を持つプラスミドを作成して初代培養肝細胞にトランスフェクトし、ルシフェラーゼアッセイを行った。その結果、AldB遺伝子の-228〜+25塩基の範囲にグルカゴン応答領域があることがわかった。ホモロジー検索をしたところ、この領域にはcAMP応答エレメント(CRE)に非常に類似したCRE様エレメントが2カ所あることがわかった(CRE+13とCRE-89)。今後このCRE様エレメントに部位特異的変異を導入したり、欠失させたりしたコンストラクトを作成してルシフェラーゼアッセイをおこない、これらがグルカゴンの転写抑制に機能しているかどうかを検討する予定である。
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Research Products
(1 results)