2000 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックマウスを用いたインスリン抵抗性発症の臓器特異性の解析
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10671062
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Research Institution | Shiga University Of Medical Science |
Principal Investigator |
前川 聡 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (00209363)
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Keywords | チロシンホスファターゼ / SHP-2 / インスリン抵抗性 / トランスジェニックマウス / プロテインホスファターゼ |
Research Abstract |
前年度まで成績 Dominant negative SHP-2を過剰発現するトランスジェニック(Tg)マウスは、糖負荷試験にて耐糖能異常、高インスリン血症を示し、ソマトスタチンを用いたインスリン感受性試験(恒常血糖値法)にてインスリン抵抗性を示した。さらに、単離ヒラメ筋および単離脂肪細胞において、2-deoxy-gluocseを用いて測定した糖取り込み能は、生理濃度のインスリン存在下で障害されており、本Tgマウスが新しいインスリン抵抗性モデルであることが証明された。骨格筋、肝臓および脂肪細胞において、強弱の程度の差はあるものの、Tgマウスにおいて、IRS-1のリン酸化の低下、PI'3キナーゼ活性、PKB活性の低下が認められた。さらに基礎状態でのMAPキナーゼ活性の亢進とインスリンによる刺激効果の消失が認められた。また、IRS-1とSypの結合阻害が、骨格筋、肝臓、脂肪組織において認められ、これらインスリンシグナルの障害の作用点がIRS-1の近傍に存在することが示唆された。さらに本Tgマウスの膵組織の検討では、ランゲルハンス島の過形成を認めた。さらに、血圧測定にて、収縮期血圧の上昇を認め、Syndrome Xモデルとなる可能性が示唆された。 今年度の成果:SHP-2はインスリンシグナルのみでなく、種々の臓器の発生分化にかかわると考えられる。我々は本Tgマウスの1系統に認められた盲目マウスの発症機構が、眼瞼の分化異常によることを見出した。更に現在、中枢神経系、造血系および免疫系の異常の有無を共同研究で検討中である。さらに、Tgマウスにおいて認められたMAPキナーゼの活性亢進がIRS-1蛋白のセリン・スレオニン残基のリン酸化を介して、インスリン抵抗性を来している可能性を証明するため、現在、プロテインホスファターゼ(PP1)のアデノウイルスを作成し、IRS-1蛋白のセリン・スレオニン残基のリン酸化を是正することで、インスリン抵抗性を改善する否かを検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Egawa K,Nagashima N,Shrma PM,Maegawa H, et al.: "Persistent activation of phosphatidlylinositol 3-kinase cause insulin resistance due to accelerated insulin-induced IRS-1 degradation in 3T3-L1 adipocytes."Endocrinology. 141. 1930-1935 (2000)
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[Publications] Egawa K,Maegawa H, et al.: "Protein Tyrosine Phosphatase-1B Negatively Regulates Insulin Signaling in L6 Myocytes and Fao Hepatoma Cells."J.Biol.Chem.. (in press).
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[Publications] Morino K,Maegawa H, et al.: "Insulin-induced JNK activation is negatively regulated by protein kinase C δ"Endocrinology. (in press).