1998 Fiscal Year Annual Research Report
HB-EGF遺伝子ノックアウトマウスを用いた動脈硬化発症機序の検討
Project/Area Number |
10671065
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
乾 由明 大阪大学, 医学部, 助手 (00294067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 憲二 国立奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 教授 (50142005)
栢木 善朗 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
田村 信司 大阪大学, 医学部, 助手 (30243223)
河田 純男 大阪大学, 医学部, 助教授 (90183285)
松沢 佑次 大阪大学, 医学部, 教授 (70116101)
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Keywords | HB-EGF / ノックアウトマウス / 血管平滑筋細胞 / 増殖因子 / in vivo / 治療 |
Research Abstract |
HB-EGFが血管平滑筋細胞に対しPDGFと同程度の強力な増殖促進作用を有し、血管内皮障害後バルーンの再狭窄において他の増殖因子と異なりDNA合成に先立ち発現することから、動脈硬化症や血管形成術後再狭窄病変の形成に重要な役割を果たしていることを報告してきた。またヒトジェノム計画の一端として脂肪細胞の部位別分子特性を検討したところ脂肪細胞はHB-EGFを合成分泌しており、特に内臓脂肪では特に活発で血管病変と強く結びつくことも明らかにした。今回、HB-EGFノックアウトマウスを作成しin vivoにおけるHB-EGFの動脈硬化症や血管形成術後再狭窄病変の形成に対する役割をより鮮明にする。まずマウスHB-EGF遺伝子のexonIIおよびexonIIIにフレームシフトを起こさせる3種類のtargeting vectorを作成し、エレクトロポレーション法によりES細胞に導入した。さらにpositive-negativeselectionにより選別された3系統のES細胞をマウス受精卵にinjectionし子宮移植することにより数匹の雄キメラマウスを得た。引き続いて現在ヘテロおよびホモマウスを作成中である。今後HB一EGFノックアウトマウスを用いて血管内皮細胞障害モデルを作成する。また血管内皮細胞と血管平滑筋細胞の細胞連関を明らかにする目的で血管壁の3次元培養モデルを作成することに成功し、本モデルを用いて液性因子の細胞連関に対する影響を観察することが可能になった。今後HB一EGFノックアウトマウスより得られた両培養細胞を3次元培養モデルに用いて動脈硬化発症予防に関する基本的な情報を提供したい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A.Yamada: "Plasma heparin-binding EGF-like growth factor levels in patients after partial hepalectomy as detemined with an enzyme-linked immunosorbent assay." Biochem.Biophys.Res.Commun.246(3). 783-787 (1998)
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[Publications] 河田純男: "肝切除後の増殖因子ネットワークと新しい肝再生因子HB-EGF。" 臨床科学. 34(9). 1229-1235 (1998)
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[Publications] K.Fukuda: "Transforming growth factor-b1-induced degradation of activated Sre tyrosine kinase in rat fibroblasts" Oncogene. 17(26). 3349-3356 (1998)
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[Publications] K.Fukuda: "Altered regulation of Src tyrosine kinase by transforming growth factor-b1 in a human hepatoma cell line" Hepatology. 28(9). 796-804 (1998)
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[Publications] E.Shinohara: "Troglitazone suppresses intimal formation following balloon injury in insulin-resistant Zucker fatty rats" Atherosclerosis. 136(2). 275-279 (1998)
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[Publications] S.Kihara: "Troglitazone enhances glucose uptake and inhibits mitogen-activated protein kinase in human aortic smooth muscle cells" Atherosclerosis. 136(1). 163-168 (1998)