1998 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン感受性増強機構の解明-ブラジキニンの骨格筋糖取り込み作用-
Project/Area Number |
10671078
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岸川 秀樹 熊本大学, 医学部, 講師 (30161441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮村 信博 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (40274716)
荒木 栄一 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (10253733)
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Keywords | ブラジキニン / インスリン感受性 / 運動療法 / 糖尿病 |
Research Abstract |
インスリン非依存型糖尿病患者や本態性高血圧患者において、アンギオテンシン変換酵素阻害薬投与時のインスリン感受性改善作用にブラジキニンが関与することが示唆さていたが、インスリン感受性の主要組織である骨格筋細胞におけるブラジキニンの作用機序はこれまで明らかではなかった。平成10年度の研究において,1.イヌ大腿筋及びラット由来L6 myoblastにおけるブラジキニン受容体(B2型)の存在の証明:結合実験によりブラジキニンの特異的結合があること、ならびにRT-PCR法によりブラジキニンB_2受容体mRNAが検出されることから、両細胞にB_2受容体の存在を証明した。2.ブドウ糖代謝及びインスリンシグナル伝達系へのブラジキニンの作用の検討:インスリン存在下でブラジキニンが濃度依存性に糖取り込みを増加し、4型糖輸送担体(GLUT4)の細胞内から細胞膜へのトランスロケーションを増加させることを示した。ブラジキニンがインスリン受容体の数および親和性に影響を与えることなく、インスリンによるインスリン受容体βサブユニットおよびその基質であるinsulin receptor substrate-1(IRS-1)のチロシンリン酸化を増強させることを証明した。3.ラット由来L6 myoblastにおけるブラジキニン受容体シグナル伝達系とインスリンシグナル伝達系の相互干渉の解明:L6細胞におけるフォスファターゼ活性の検討において、ブラジキニンによりインスリン刺激後のインスリン受容体及びIRS-1の脱リン酸化が抑制されている可能性を示唆しえた。
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