2000 Fiscal Year Annual Research Report
運動時のインスリン感受性増強機構の解明-ブラジキンニンの骨格筋取り込み作用-
Project/Area Number |
10671078
|
Research Institution | KUMAMOTO UNIVERSITY MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
岸川 秀樹 熊本大学, 保健管理センター, 教授 (30161441)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮村 信博 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (40274716)
荒木 栄一 熊本大学, 医学部, 教授 (10253733)
|
Keywords | 糖尿病 / 運動 / ブラジキニン / インスリン感受性 |
Research Abstract |
安静/運動負荷後の骨格筋におけるインスリンシグナルに対するブラジキニンの影響を検討する目的で、安静/運動負荷直後のラットに経門脈的に速効型インスリンを注入し、インスリンシグナル伝達系の変化を観察した。 1)インスリン受容体及びIRS-1の変化:安静群(S)、安静+ブラジキニン拮抗薬処理群(S-H)、運動群(E)、運動+ブラジキニン拮抗薬処理群(E-H)各群において,安静/運動負荷直後のインスリン注入時、S、S-H、Eの3群間においてインスリン受容体βサブユニット及びIRS-1のチロシンリン酸化に差はなかったが、E群に比し,E-H群では、インスリン受容体及び、IRS-1のチロシンリン酸化の低下を認めた。一方、インスリン受容体βサブユニット及びIRS-1の蛋白量自体は、インスリン非刺激時、インスリン刺激時ともに有意な差を認めなかった。 2)PI3-kinase活性の変化:S群、S-H群、E群、E-H群において,安静/運動負荷直後のインスリン注入時、S、S-H、Eの3群間に明らかな有意差はなかったが、E群に比しE-H群において、PI3-kinase活性が低下していた。PI3-kinase活性全体を反映する抗p85抗体免疫沈降物中のPI3-kinase活性は、S、S-H、E、E-Hの各群で差を認めなかった。 運動後の骨格筋におけるインスリン感受性の増強機構に運動負荷中に増加したブラジキニンが関与する可能性が示唆された。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] T.Taguchi,H.Kishikawa, et al.: "Involvement of bradykinin in acute exercise-induced increase of glucose uptake and GLUT4 translocation in skeletal muscles : Studies in normal and diabetic humans and rats"Metabolism. 49. 920-930 (2000)