1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671081
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
片山 茂裕 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90167338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹井 眞一郎 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (30286067)
根岸 清彦 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (00180696)
飯高 誠 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (10142407)
米田 嘉重郎 東京医科大学, 医学部, 助教授 (90074533)
濱田 洋文 癌研究会, 癌科学療法センター, 分子生物治療研究部長 (00189614)
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Keywords | CTLA4Ig / BBラット / 膵島移植 / 糖尿病 / アデノウィルス |
Research Abstract |
56及び57世代の8週令BB/w//TKYラットを用いて,CTLA4Ig遺伝子を組み込んだBBラット膵島を自家移植して糖尿病の発症を検討した.まずmoi100でCTLA4Ig遺伝子を組み込んだアデノウイルスを感染させ,腎被膜下および筋肉内への移植を行った.同時にanti-rat CD11a抗体およびanti-rat ICAM1抗体を腹腔内投与し,膵島を800〜1,000個移植した. 対照群のラットでは,6匹全例生後11週以内に糖尿病を発症した.抗体のみの投与では糖尿病の発症予防はできなかった.CTLA4Ig組み込み膵島と抗体を同時投与したBBラットでは,2匹で移植後3カ月以上血糖値が正常を維持し,糖尿病の発症抑制が可能であった.また,移植後3週間以上血糖が正常に維持されたのは3匹で,3週間以内に血糖上昇を来したのは2匹であった. 腎被膜下への膵島移植が,技術的に難しいため,より技術的に簡単な膵島の筋肉内移植を試みた.その結果,一時的に血糖は低下したが,3〜4日で元のレベルの高血糖となり糖尿病発症抑制はできなかった.恐らく,免疫学的に腎被膜下は,他の部位に比して拒絶が起こりにくい所である可能性がある. また,ストレプトゾトシンにて糖尿病にしたWistarラットにSDラットからの膵島移植も試みた.1匹では一過性の血糖効果作用しか認められなかったが,2匹では3週間以上の血糖低下を認めた. 以上より,CTLA4Ig遺伝子組み込み膵島移植と抗LFA-1/ICAM-1抗体投与により,BBラットの糖尿病発症は抑制されることが判明した.但し,抑制できなかった例もあり,匹数を増やしてさらに検討する必要がある.
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