1999 Fiscal Year Annual Research Report
膵β細胞のFasを介するアポトーシス誘導機序の検討
Project/Area Number |
10671085
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
山田 研太郎 久留米大学, 医学部, 助教授 (10191305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香野 修介 久留米大学, 医学部, 助手 (60268943)
林 秀樹 久留米大学, 医学部, 講師 (50238119)
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Keywords | 1型糖尿病 / 膵島細胞 / アポトーシス / Fas / カスパーゼ / 脂肪酸 / NODマウス |
Research Abstract |
NODマウスの膵島炎におけるcaspase阻害剤の有効性の検討 シクロフォスファミドはNODマウスの膵島病変を進行させ,糖尿病発症を誘発する作用を有する。そこで,糖尿病未発症の雌性NODマウス14匹にシクロフォスファミド200mg/kgを腹腔内注射し,そのうち7匹に対しては1週間後からcaspase阻害剤z-VAD-fmkを毎日0.1mg腹腔内注射した。残り7匹は対照群として溶剤のみを腹腔内注射した。シクロフォスファミド注射の2週間後までに両群とも4匹が糖尿病を発症し,発症率では差がなかったが,v-VAD-fmk注射群の方が発症が遅い傾向がみられた。また,無処置群で糖尿病を発症した4匹はいずれも死亡したのに対し,v-VAD-fmk注射群で死亡したマウスはなかった。したがってv-VAD-fmkはNODマウスの膵島炎進行をある程度抑制したと考えられる。今後,v-VAD-fmk注射の開始時期を早めて,効果を確認する予定である。 マウス膵島細胞のFasを介するアポトーシスのin vitroにおける検討 マウスβ細胞cell lineであるβTC1細胞にヒトFas遺伝子を導入して作成したhFas/βTC1細胞は,抗ヒトFas抗体によりアポトーシスをきたす。このFasを介するβTC1細胞のアポトーシスは,0.5〜1mMのオレイン酸をFas抗体と同時に添加することにより顕著に亢進し,DNAのラダー状切断も増強された。オレイン酸は血中に最も高濃度に存在するFFAであるので,この結果は血中FFAの上昇がβ細胞のFasを介するアポトーシスを増強する可能性を示している。オレイン酸によるアポトーシス増強の機序について,今後検討を行う予定である。
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