1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671088
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
江崎 治 国立健康・栄養研究所, 臨床栄養部, 部長 (90191923)
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Keywords | GLUT4 / 運動 / 高脂肪食 / シスエレメント / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
GLUT4は、筋肉や脂肪組織に特異的に発現し、血糖の恒常性に重要な役割を果たしている糖輸送体で、様々な因子によって発現調節を受けている。中でも、運動は筋肉におけるGLUT4の発現を増加させ、高脂肪食摂取は脂肪組織におけるインスリン抵抗性の主要な成因であるGLUT4の発現を減少させる。運動に反応するシスエレメント(-551〜-442)に結合している因子をゲルシフトアッセイによって解析し、運動の有無によって結合に差があるかどうかの検討を行った。また、高脂肪食に反応するシスエレメント(-701〜-442)をさらに狭め、その領域に結合する因子をゲルシフトアッセイによって解析した。 運動に反応するシスエレメント内で、GLUT4-1:-556〜-527、GLUT4-2:-531〜-502、GLUT4-3:-506〜-470、GLUT4-4:-476〜-438の4つのフラグメントを作成し、非運動群、運動群(30分、4セットのスイミング運動を8日間)の各々のマウスの筋肉から抽出した核蛋白を用いてゲルシフトアッセイを行った。その結果、GLUT4-3にスイミング運動により結合の増加する因子が存在した。また、高脂肪食に反応するシスエレメントの同定を行った。-551ミニジーントランスジェニックマウスに高炭水化物食または高脂肪食を約4ヶ月間摂取させたところ、-551ミニジーンGLUT4の発現は変化しなかった。このことより、高脂肪食に反応するシスエレメントが-701と-551の間に存在していることがわかった。この領域内で、WF1:-712〜-688、WF2:-690〜-650、WF3:-656〜-617、WF4:-621〜-582、WF5:-586〜-547の5つのフラグメントを作成し、高炭水化物食群、高脂肪食群の各々のマウスの脂肪組織から抽出した核蛋白を用いてゲルシフトアッセイを行った。その結果、全てのフラグメントに蛋白質の結合が見られたがWF4とWF5に高脂肪食によって結合の減少する因子が存在した。
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