1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671093
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土井 秀之 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (90188839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 康男 東北大学, 歯学部, 助教授 (50005039)
中村 雅典 東北大学, 医学部, 助教授 (50180394)
大河内 信弘 東北大学, 医学部, 助教授 (40213673)
桜田 正寿 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (40292320)
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Keywords | 肝切除モデル / セロトニン(5-HT) / sham手術群 / 血小板 |
Research Abstract |
1. マウスの70%部分肝切除モデルにおいて、残存肝へのセロトニン(5-HT)集積を確認した。残存肝内の5-HT濃度は未肝切1.82±0.31nmol/g(以下、単位省略)に対し、肝切5hr後に4.13±0.51と上昇し、以後、漸減していった。Sham手術群ではこのような肝内5-HT濃度の上昇は認められなかった。血中血小板数の推移は、正常92.5±12.6(×10^4/μl)に対し、術後3hrに65.2±18.3(×10^4/μl)と低下を認め、以後、24hrまで著明な変化なく推移し、以後、漸増していった。電子顕微鏡所見では肝切4hrで肝類洞内に集積する血小板を認めた。凝集した血小板は血液凝固とは異なる所見であった。 2. dichloro-methylene bisphosphonate含有リポソーム(LE-Cl2MBP)を尾静脈より投与し、Kupffer細胞を枯渇させたマウスに部分肝切除を施行したところ、残存肝の5-HT濃度は有意な上昇を認めなかった。電顕所見でも血小板の類洞内集積はなかった。 3. PCNALabelingindexによる肝再生の評価を行った。コントロール群では48hr後にピークを認めたが、LE-CL2MBP投与群ではピークが72hrになっていた。以上よりKupffer細胞を枯渇させることは肝再生を遅延させる可能性が示唆された。 今後、以下のような検討を行う予定である。 1. 肝再生時の末梢血中および肝組織中のHGF・TNF-αの濃度変化を経時的に解析する。 2. 培養系で肝の実質細胞、Kupffer細胞、Ito細胞と血小板のCo-cultureを行い、それぞれの細胞に対して、血小板がどのような作用をするか検討する。 3. 肝再生における血小板の役割をより特異的に検索するため、抗血小板抗体を入手した。この抗体で作製した血小板減少症モデルマウスに部分肝切除を施行し、組織学的・生化学的検討を加える。
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