1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671093
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
土井 秀之 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (90188839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 康男 東北大学, 歯学部, 助教授 (50005039)
中村 雅典 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50180394)
大河内 信弘 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40213673)
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Keywords | 血小板 / クッパー細胞 / 肝再生 / 抗血小板抗体 |
Research Abstract |
マウスにlipopolysaccahride(LPS)を投与すると、早期に肝へ血小板が集積することが知られている。この現象が生理的におこるか、またその意義はなんであるかを今回検討した。部分肝切除マウスにおいて、術後残存肝へ血小板が集積するかを、抗血小板免疫蛍光染色、電顕および肝内セロトニン濃度で評価した。肝切4時間後の免疫蛍光染色では肝内には著しい血小板の発色を認めた。電顕では類洞内に集積する多数の血小板を認め、一部の血小板はディッセ腔に入り、肝実質細胞と接触する所見を認めた。また、肝内セロトニンは術前1.29±0.14nmol/gから4時間後に2.27±0.32まで上昇した。以上より、肝切除後に肝内に血小板集積が起こることが示された。クッパー細胞をジクロロメチレンビスホスネート含有リポソームにより除去したマウスを作製した。このマウスでは、肝切を行っても、抗血小板免疫蛍光染色で血小板の発色は見られず、また、肝内セロトニンの上昇も認めなかったことから、肝切後の血小板集積はクッパー細胞を介することが強く示された。肝内に集積した血小板が肝再生にどのような作用を持つのかを検討した。クッパー細胞切除マウス、血小板抗体で血小板を減少させたマウスと正常マウスでの肝再生を比較検討した。PCNA陽性率は正常マウスで36時間後にピークとなるのに対し、クッパー細胞除去、血小板減少マウスでは48時間後とピークの遅延が見られ、最高値も低値であった。また、血小板の集積に対する抗凝固剤は無効であり、この血小板集積は凝固系によるものではないことが確認された。
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