1998 Fiscal Year Annual Research Report
Ra1BP1に結合する新規シグナル伝達蛋白Repsの機能解析
Project/Area Number |
10671109
|
Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
山口 明夫 福井医科大学, 医学部, 教授 (10174608)
|
Keywords | 低分子量G蛋白質 / Ra1 / Ra1BP1 / Reps / EGFR |
Research Abstract |
低分子量G蛋白Ralの標的蛋白の一つであるRalBP1はRhoファミリーのなかのRacやCdc42に対するGAP活性を有しており、細胞骨格の制御に関与している可能性があるといわれている。そこでRasからの新しいシグナル伝達経路を解明するために、このRalBP1に対する新規のシグナル伝達蛋白のクローニングを行った。RalBP1に結合する蛋白質を得るために、全長のRalBP1をbaitとして、マウス筋細胞cDNAをライブラリーとする酵母two-hybrid法をおこなった。さらに得られたクローンをプローブとして、マウス精巣cDNAライブラリーを再スクリーニングした。N末端は5'Race法を用いRepsの全長を得た。Reps蛋白は743個のアミノ酸からなり、EGF受容体基質様領域(eps15)、EF-handモチーフ、SH3領域が結合すると思われる2箇所のプロリンに富む領域および3個のMAPK基質領域を有していた。Norther blotならびにWestern blotにてRepsのmRNAおよび蛋白の発現を検索したところ脳、腎臓、肝臓にその発現を確認した。in vitroにおけるbinding testにてRepsとRalBp1との結合が確認され、RalBp1のdeletion muutantを用いてその結合部位を決定した。さらにin vivoでの結合も確認した。myc-RepsをCOS細胞に発現させ、そのNP-40 lysateを抗myc抗体にて免疫沈降後、sf9細胞で発現させたEGF受容体を用いてin vitroのキナーゼアッセイを行ったが、RepsはEGFRによる直接のリン酸化は受けなかった。 Reps蛋白はRalBP1と複合体を形成し、チロシンキナーゼ、Caイオン、SH3領域を有する蛋白やMPAPKを介するシグナル伝達系とクロストークすることが示唆された。
|