1999 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患における食餌抗原に対する粘膜免疫応答の解析
Project/Area Number |
10671113
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 善文 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10294076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 宏 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10271032)
高橋 一郎 大阪大学, 微生物病研究所, 講師 (20206791)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / TCRα鎖欠損マウス / 粘膜免疫 / 食餌抗原 / 成分栄養 / 腸内細菌叢 / Bacteroides vulgatus |
Research Abstract |
1. T細胞受容体α鎖欠損(TCRα-/-)マウスの炎症性腸疾患(IBD)発症に対する食餌抗原の影響 成分栄養(ED)群ではIBD発症はほぼ完全に抑制され,粘膜固有層の抗体産生細胞数も通常飼料(RD)群に比し著減していた. 2. ED投与による腸内細菌叢の変化 腸内細菌叢の検索ではRD(発症)群に高率にみられたBacteroides vulgatusがED群では検出されなかった. 3. ED投与によるCD4+,ββT細胞の機能変化 CD4+,ββT細胞はED群においてもRD群とほぼ同様に出現していたが,このT細胞群のVβの発現様式はRD群ではVβ8が優位であったのに対しED群ではVβ6およびVβ14が優位であり,発現パターンに差がみられた.またRD群にみられたこのT細胞群によるTh2型サイトカインの産生はED群では認められなかった. 4. B.vulgatusの病態に対する影響 in vitroの培養系ではB.vulgatusはTh2型サイトカインの産生を優位に誘導し,in vivoにおいて同菌をED投与(未発症)群に経直腸的に投与するとTh2型ββT細胞の粘膜浸潤を伴う腸炎の病態が誘導された. (まとめ)in vitroおよびin vivoでB.vulgatusによってTh2型ββT細胞が誘導されたことは,EDによる発症抑制効果の機序に常在菌であるB.vulgatusを認識するTh2型ββT細胞のclonalな増殖が関与していることが示唆された.さらにCD4+,ββT細胞に相当するような特定の腸内抗原を認識して病態に影響を及ぼしているT細胞サブセットが臨床例にて明らかにされれば,本研究において得られたIBDの病態における粘膜免疫学的知見が臨床応用すなわち有効な治療法の開発に結びつくことも予想され,現在その検索法を検討中である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takahashi I.et al.: "Clonal expansion of CD4^+ββ^+T cells in TCRα-chain-deficient mice by gut-derived antigens"J. Immunol.. 162. 1843-1850 (1999)
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[Publications] Iijima H.et al.: "Alteration of interleukin 4 production results in the inhibition of Th2 dominated inflammatory bowel disease in T cell receptor α chain-deficient mice"J. Exp. Med.. 190. 607-616 (1999)