1998 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺未分化癌の増殖・転移と血管内皮細胞増殖因子VEGFの関連性
Project/Area Number |
10671118
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
三木 仁司 徳島大学, 医学部, 講師 (40219605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 栄太郎 徳島大学, 医学部付属病院, 医員(臨床)
駒木 幹正 徳島大学, 医学部付属病院, 講師 (60215382)
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Keywords | 甲状腺未分化癌 / VEGF / 血管内皮細胞増殖因子 / 血管新生 / 転移 |
Research Abstract |
まず最初に,我々の樹立した甲状腺未分化癌細胞株(ACT-1)がいかなる増殖・転移能を持っているかを検討した.経時的に細胞数を計測して増殖曲線を検討した結果,細胞倍加時間は約48時間であった.さらにSCIDマウスの皮下に2.5×10^5cell注入すると,皮下に生着すると共に3ヵ月後に皮下移植巣から肺転移が認められた.また,尾静脈より3.0×10^5cell注入しても3カ月後に実験的肺転移が認められ,ACT-1が可移植性細胞株であることが判明した. 次に,ACT-1がいかなるサイトカインを培養液中に分泌しているか検討してみると,1L,-1α,IL-1β,IL-2,IL-4,IL-5,IL-10,TNF-α,IFN-α,IFN-γ,G-CSFは分泌されていなかったが,IL-6,IL-8,M-CSF,GM-CSF,VEGFは高濃度に分泌されていた.VEGF mRNAレベルでの発現をRT-PCR法にて解析した結果,実際にVEGF mRNAが発現されていることを確認した.次に,細胞内におけるVEGF蛋白の発現を免疫組織化学的に検討した.抗ヒトVEGFウサギpolyclonal抗体(VEGF A-20)を用い,SABC法にて染色したところ,ACT-1を樹立した未分化癌患者のオリジナルの手術材料において,明らかにVEGF蛋白が発現されていることを認めた. 以上の実験結果より,我々の甲状腺未分化癌細胞株(ACT-1)は,細胞内にVEGF mRNAの発現を認め,かつVEGFを分泌していることを明らかにした、
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