2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671129
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Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
小林 英司 自治医科大学, 医学部, 助教授 (00245044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
袴田 陽二 自治医科大学, 医学部, 講師 (00218380)
村上 孝 自治医科大学, 医学部, 助手 (00326852)
吉田 栄人 自治医科大学, 医学部, 講師 (10296121)
細谷 好則 自治医科大学, 医学部, 講師 (30275698)
藤村 昭夫 自治医科大学, 医学部, 教授 (90156901)
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Keywords | 遺伝子治療 / 遺伝子銃 / 局所治療 / 固形癌治療 |
Research Abstract |
本研究修了年となる本年度は、IL-12遺伝子導は1回の治療、すなわち単開腹で検討することとした。さらに肝転移の程度と遺伝子治療の効果を明らかにするため、以下の実験を行った。30匹のラットを麻酔下に開腹し、高用量のAH130(1×107個/0.5cc)を門脈内に注射して、肝転移モデルを作成した。腫瘍移植後12日目に開腹し、総量4μgのIL-12遺伝子を、転移巣を含む肝表面に射入した。コントロールとして、同様のスケジュールでβ-gal遺伝子を導入した(各群n=15)。遺伝子銃の射入圧は前回と同様に300psiとした。観察期間は60日とし、1回の開腹操作治療によって得られる生存期間を記録した。死亡時には剖検を行い、門脈塞栓などで他病死したものは対象から除外した。なお、高用量移植モデルでは、治療時にはすでに多くの転移巣が認められ、正確な転移数の測定が困難であったため、生存率のみで抗腫瘍効果を評価した。また、移植するAH130を1×106個/0.5ccとし、腫瘍移植後12日目に開腹して腫瘍を確認した。肝の転移結節数を2人の検者で測定し、治療群とコントロール群に差がないように、pseudo-randomizedにグループ分けした。上記と同様のスケジュールで単開腹によるIL-12遺伝子導入を行った。コントロールにはβ-galを使用した。各群ともn=10とし、後述する肝転移結節数の経時的変化、病理組織学的検討および肝、脾、血中におけるサイトカインの検討を行った。高用量モデルでは、溶液の濃度が高く、門脈塞栓による麻痺性腸閉塞や腸壊死で死亡する例が3例が認められ、これらのラットは他病死とし、その後の検討から除外した。生存率の検討では、コントロール群は11/13(85%)例が進行する肝転移と血性腹水で死亡した。一方、IL-12治療では7/14(50%)例が長期の生存が可能であり、コントロールに比べ有意の延命効果が認められた(p<0.05)。低容量モデルでは、治療前の肝転移結節数(平均値±SD)はコントロールで42±15、IL-12で38±18個であり、統計学的有意差はなかった。導入後7日目では、それぞれ61±41、24±8個であり、コントロール群では転移数が増加したのに対し、IL-12群では減少していた(p<0.05)。
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Research Products
(1 results)