1998 Fiscal Year Annual Research Report
Th1/Th2細胞誘導を指標としたBRM感受性試験の開発と臨床応用
Project/Area Number |
10671135
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
沖永 功太 帝京大学, 医学部, 教授 (00101098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯沼 久恵 帝京大学, 医学部, 助手 (30147102)
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Keywords | 癌免疫療法 / 胃癌 / Th1,Th2 / OK-432 |
Research Abstract |
1. Th1/Th2を指標としたin vitro BRM感受性試験の開発 Th1,Th2のバランスをフローサイトメトリーを用いたサイトカイン産生細胞の割合,ELISA法による産生蛋白の定量,mRNAの発現から検討し,それぞれの測定法の至適条件を設定した。 2. 臨床例での検討 1.で検討した測定法を用い,胃癌症例における,OK-432を用いた癌免疫療法に対する,Th1/Th2バランスによる評価の有用性を検討した。OK-432は術前より投与を開始し,2週に1度3KEを皮内投与した。胃癌症例および健常人より末梢血単核球を経時的に回収し,Pansorbin(IL12),PHAおよびPMA(IFN-γ,IL-2,IL4,IL10)で刺激培養後,産生されるサイトカインをELISA法で測定した。また全血をBrefeldinA存在下でPMAとIonomycinで刺激し,IFN-γまたはIL-4産生CD4陽性細胞の割合をフローサイトメトリーで解析した。現在得られた結果は以下の通りである。 (1) 胃癌症例末梢血のTh1/Th2バランスは,健常人に比べてTh2優位の状態にある。またこの傾向はstageの進行に伴い顕著になり,特にstageIVで最も著しい。 (2) OK432の投与により,末梢血リンパ球のTh1サイトカイン(IL-2,IFN-γ)の産生は非投与群に比較して上昇する傾向を示した。一方Th2サイトカイン(IL-4,IL-10)は両者で差を認めなかった。以上の結果から,末梢血を用いたTh1/Th2バランスの評価は,胃癌症例におけるOK-432を用いた免疫療法の治療効果判定に有用である可能性が示唆された。現在,症例を追加し検討を重ねている。
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