1999 Fiscal Year Annual Research Report
Th1/Th2細胞誘導を指標としたBRM感受性試験の開発と臨床応用
Project/Area Number |
10671135
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
沖永 功太 帝京大学, 医学部, 教授 (00101098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯沼 久恵 帝京大学, 医学部, 助手 (30147102)
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Keywords | 癌免疫療法 / 胃癌 / Th1,Th2 / OK432 |
Research Abstract |
癌における免疫化学療法の治療成績を改善するためには,個々の症例の免疫応答性を把握し有効な薬剤を選択することが重要である。我々は胃癌患者35例を対象に,末梢血のTh1/Th2バランスを指標としたBRM感受性試験を施行した。また免疫化学療法として,OK-432投与例および非投与例の末梢血の免疫能を時経的に測定し,その後の経過を観察した。 現在までに得られた結果を以下に示す。 (1)胃癌症例末梢血のTh1/Th2バランスは健常人に比較しTh2優位に傾いた。 (2)OK-432投与例の末梢血リンパ球のIL-2,IFN-γ,IL-12産生量は非投与群に比較して有意に上昇したが,IL-4の値は両群で差を認めなかった。 (3)OK-432投与例は,非投与群に比べIL2/IL4およびIFN-γ/IL4の上昇を認め,Th1/Th2バランスはTh1優位な状態に回復した。 (4)OK-432投与例の約14%にNK活性等の上昇を認めないlow-responder症例が確認された。 (5)OK-432に対するhigh-responder症例は,IL-2よびIL-12の明らかな上昇を認めTh1/Th2バランスがTh1優位に改善されたが,low-responder症例はこれらのサイトカインの上昇が認められずTh2優位な免疫環境のままであった。 これらの結果から,免疫療法の効果判定にTh1/Th2バランスによる評価が有効である可能性が示唆された。さらに症例数を重ね,検討をおこなう予定である。
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