2000 Fiscal Year Annual Research Report
Th1/Th2細胞誘導を指標としたBRM感受性試験の開発と臨床応用
Project/Area Number |
10671135
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
沖永 功太 帝京大学, 医学部, 教授 (00101098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯沼 久恵 帝京大学, 医学部, 助手 (30147102)
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Keywords | 癌免疫療法 / 胃癌 / Th1,Th2 / OK432 |
Research Abstract |
OK-432を用いた胃癌免疫療法における治療効果の指標として,末梢血リンパ球のTh1/Th2バランスを検討し,その有用性を評価した。脾温存胃癌治癒切除例39例を対象とした。OK-432は2週に1度3KEを皮内投与し,化学療法剤はUFTを400-600mgを連日経口投与した。経時的に末梢血を採血し,Th1サイトカイン(IFN-γ),Th2サイトカイン(IL4,IL10)の産生細胞および産生量を測定した。NK活性は^<51>Cr release assayで測定した。 これまでに得られた結果を次に示す。(1)OK432投与により末梢血リンパ球のType1サイトカイン産生能の上昇が認められTh1/Th2バランスはTh1優位へと改善された。(2)OK432投与例のうち約16%は術後3ヶ月経過してもNK活性が15%未満と低く,これらの症例はOK-432にLow-responseであると判断された。術後3ヶ月目のNK活性を基準に,15%以上をHigh-responder症例,15%未満をLow-responder症例と定めた。(3)High-responder症例はLow-responder症例に比較し,術前PPD皮内反応の有意な上昇,術後3ヶ月間における末梢リンパ球のType1サイトカイン産生能の有意な上昇を認め,Th1/Th2バランスはTh1優位な免疫状態を示した。(4)Low-responder症例はHigh-responder症例に比較して予後不良であった。 (5)Cox比例ハザードモデルによる解析の結果,OK432に対するresponseは独立した予後因子となることが判明した。これらの結果から,OK432有効症例の選択および治療効果判定の指標として,術後早期末梢血リンパ球のTh1/Th2バランスの変化を測定することが有用である可能性が示唆された。
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