1999 Fiscal Year Annual Research Report
計装化ウルトラミクロトームの開発と生体組織/異種物質との界面密着性評価
Project/Area Number |
10671140
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
朝倉 健太郎 東京大学, 大学院・工学部研究科, 助手 (10111460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広畑 泰久 日本医科大学, 中央電子顕微鏡研究施設, 係長(研究職)
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Keywords | 計装化ウルトラミクロトーム / ウルトラミクロトーム / 超薄切片 / 応力解析 / 電子顕微鏡 / 力学的特性 / インプラント / 密着性評価 |
Research Abstract |
材料系試料の場合、単に超薄切片を切削し、薄片化できればよいという要望だけではなく切削エネルギー、せん断応力など力学的特性を求めたいという要求がある。この背景には人口生体材料の力学的特性、あるいは生体組織とインプラントされた異種物質界面(たとえば骨と金属、高分子系材料など)の密着性などを、何らかの手法によって定量的に評価する方法が模索されている。 本研究は既存ウルトラミクロトームの試料ホルダー部に力検知ホルダーを作製し、高感度力変換器(水晶測定素子)を取り付けた。切削する試料、あるいは密着性を評価する試料はサンプルを押えねじによってによって円柱試料、平板試料の形状が固定できる。測定子の全長は、63.7mm、直径約10mmである。なお素子の力測定範囲は数mN〜50N(約1g〜5000g)までが測定できる。この力変換器によって発生した電荷信号を、チャージアンプに供給し、力に比例した電圧信号に変換される。つぎにアナログ信号をデジタル信号に変換するためAD変換器に供給し、さらにパーソナルコンピュータによって出力データを処理する。 一例であるが切削面積0.5mm×1mm、5:5で重合硬化したブロックの切削時における切削応力の経時的変化およびに切削応力と切削厚さの関係を調べた。この結果、切削応力は同一の切削面をもった同じブロックでも切片の厚さ、切削速度によって変化し、切片が厚く、切削速度が速くなるほど大きくなることが明らかになった。このように既存のウルトラミクロトームに計装化パーツを取り付けることによって、(1)切削時の応力が計測できるばかりではなく、(2)ナイフと試料のあたり(接触)の感知、(3)振動(チャター)の有無、(4)厚さ分布、(5)試料の切削枚数、(6)密着性の評価などの確認が容易にできることが明らかになった。研究成果は2000年の日本電子顕微鏡学会で報告(2編)する。
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