1998 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌、肝癌のアポトーシスと血管新生の増殖・転移、及び予後への関与の解明
Project/Area Number |
10671141
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
森田 眞照 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90200419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 允彦 大阪医科大学, 医学部, 教授 (00111956)
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Keywords | p27^<Kipl> / Ki67 / 膵癌 |
Research Abstract |
【研究目的】教室における膵癌切除例の臨床病理学的検討を行い、膵癌の悪性度の判定が、p27^<kipl>発現とKi67による細胞増殖活性をみることで可能か否かを検討した。 【対象および方法】膵癌38例を対象とした。内訳は、粘液産生膵癌4例、嚢胞腺癌2例、膵管癌32例。臨床病理学的検討項目は、組織型、リンパ節転移、膵周囲浸潤、stage分類、腫瘍径、分化度。また、切除標本の免疫染色によりp27^<kipl>発現を100分率で表し、さらにKi67によるlabeling indexを求めた。予後因子は、多変量解析をCoxの比例ハザードモデルで検討した。 【結果】p27^<kipl>発現は正常膵管上皮の約10%に認め、腫瘍細胞ではp27^<kipl>の発現は著明に減少した。生存率は、p27^<kipl>発現率は1%を境界に分類すると、1年、2年の生存率は有意(P=0.001)に陽性例の遠隔成績が良好であった。また、Cox regression modelで解析を加えた結果、p27^<kipl>発現は独立した予後規定因子であった。増殖活性を表すKi67は予後規定因子ではなく、p27^<kipl>とKi67の相関関係も認めなかった。 【結論】以上より増殖活性を表すKi67は予後規定因子ではなく、p27^<kipl>発現は膵癌の予後の予測因子となり得ると考える。
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Research Products
(1 results)