1998 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化窒素とオキシダントストレスの相互作用によるMOF発症のメカニズムの検討
Project/Area Number |
10671142
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
米倉 竹夫 近畿大学, 医学部, 講師 (00258021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣岡 慎治 近畿大学, 医学部附属病院, 助手 (10268394)
今野 元博 近畿大学, 医学部, 助手 (00278681)
保木 昌徳 近畿大学, 医学部, 助手 (40278685)
窪田 昭男 近畿大学, 医学部, 講師 (10161671)
大柳 治正 近畿大学, 医学部, 教授 (00030958)
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Keywords | nitric oxide / 酸素ラジカル / 虚血再灌流 / 臓器障害 / oxidant stress / 組織血流障害 / 循環障害 / グルタチオン |
Research Abstract |
【目的】虚血再灌流障害に伴う多臓器障害の発生には酸素ラジカルとともにNitric oxide(NO)が関与しているものと考えられている.そのメカニズムを解明するために,NO産生をregulateすることにより,同じNO活性を有する虚血再灌流臓器と非虚血再灌流臓器への臓器障害の進展を比較し,NOと酸素ラジカルの相互作用を検討した. 【方法】NOの基質であるL-Arginine(L-Arg群,600mg/kg/時),NO合成阻害剤であるL-NAME(L-NAME群,20mg/kg/時),対照としての生食(生食群,5mg/kg/時)を各々持続投与した後,肝臓の1葉の部分虚血再灌流(60分虚血,90分再灌流)を施行し,経時的にALF21Nレーザー血流計を用いIR肝および非IR肝の肝組織血流量をそれぞれ測定した.脱血屠殺ののちGPT,乳酸およびピルビン酸値を測定するとともに,IR肝および非IR肝における肝組織中の還元型グルタチオン(GSH)と酸化型グルタチオン(GSSG)濃度およびそのredox値を測定しoxidant stressを検討した. 【結果】IR肝における虚血再灌流後の肝組織血流量は再灌流直後10分でLArg詳は他の2群に比べ高値を示したが,以後は3群間に差はなかった.一方非IR肝における肝組織血流量はL-Arg群は高値を,L-NAME群は低値を示した.GPT値はL-Arg群,L-NAME群とも生食群に比し高値を示したが,乳酸・ピルビン酸値には差はなかった.IR肝の組織中のGSH濃度はL-NAME群では他の2群に比べ低値を示し,GSSG濃度およびredox値はL-Arg詳とLNAME群は生食群に比し高値を示した.一方非IR肝ではLNAME群ではGSSG濃度には差はなかったが,GSH濃度は他の2群に比べ低値を示しredox値は高値となった. 【まとめ】NO産生の抑制は非IR肝での組織血流の低下およびoxidant stressを助長し,NOは虚血再灌流後の臓器血流の維持に重要な役割をもつものと考えられた.逆にNO産生の促進はIR肝のように酸素ラジカルが産生されている局所でのoxidant stressを増強し臓器障害を助長している可能性が示唆された.
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