1998 Fiscal Year Annual Research Report
新たに同定した肝特異的ホスホイノシチド3-キナーゼ〜肝癌発生と進展への関与〜
Project/Area Number |
10671150
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹内 丙午 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80292316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 公人 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (70292315)
大和田 祐二 東北大学, 医学部, 助手 (20292211)
海野 倫明 東北大学, 医学部, 助手 (70282043)
鈴木 正徳 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (70206530)
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Keywords | PI3K / 肝細胞癌 |
Research Abstract |
われわれがラットにおいてクローニングした新しいホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K-IIγ)の発現が,臓器特異的に肝に集中しており,また,PI3Kは細胞増殖に関与することが知られていた.そこで,肝細胞癌を研究対象に,PI3K-IIγの癌化機構への関わりを検討する研究を立案し,平成10年4月より実験的研究を開始した. まず,われわれの持つラットPI3K-IIγのcDNA塩基配列よりプライマーを設計し,ヒト型PI3K-IIγのcDNAクローニングに着手した.プライマーは,nest-PCR施行のため4種類作成し,LA-Taq酵素を用いて,ヒトPI3K-IIγの翻訳領域のうち,約1000塩基対のcDNAクローニングに成功した.このcDNAのシークエンス分析を行うとともに,これをプローブとしてヒトcDNAライブラリーをスクリーニングし,非翻訳領域を含めた全長のcDNAの同定に成功した. 続いて,ヒトPI3K-IIγのN-およびC-末端側から,ほかのPI3Kアイソザイムと類似性低い部分のアミノ酸配列,各々20アミノ酸を選び,そのcDNAを発現ベクターに組み込み大腸菌で発現させた.この際に,発現させるペプチドのN末側にGSTを付加するような発現ベクターを用い,ペプチド回収にはGST結合カラムを用いた。このペプチドをウサギに免疫するよう保存した。 この作業と平行して,ヒト肝細胞株(HepG2,HT-17など計5種)を培養し,それらのRNAを抽出してNorthern Blot法によるPI3K-IIγ遺伝子発現の解析を行った。はじめtotal RNAを用いて解析したところ発現が認められなかったため,poly(A)+RNAの精製まで行っている。
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