1999 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌の腹膜播種病変部における血管新生の関与に関する解析
Project/Area Number |
10671200
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
白石 憲男 大分医科大学, 医学部, 助手 (20271132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 雅史 大分医科大学, 医学部, 助手 (60315330)
安達 洋祐 大分医科大学, 医学部, 講師 (90221043)
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Keywords | 胃癌 / 腹膜播種 / 血管新生 / マウスモデル |
Research Abstract |
(1)ヌードマウスを用いた腹膜播種モデルの完成 雄性Balb/cヌードマウスにヒト胃癌細胞(MNK45)を投与し、3週間後に腹膜播種性の結節が形成されることが明らかになった。今年度は、その結節や腹腔内洗浄液を用いての解析を行うため、腹膜播種形成に及ぼす胃癌細胞の腹腔内投与の至適数の検討を行った。その結果、本実験においては5X104個のMNK45の投与により、腹膜播種性結節が平均10.5±4.5個、大きさ2.5±0.4mm、総重量396±47mgとなることがわかり、以後この条件にて解析することとした。 (2)腹膜播種における血管新生因子の誘導 ヌードマウス腹膜播種モデルを用い、種々の手術侵襲を加えた後に血管新生因子、すなわちVascular endothelial growth factor(VEGF)、Basic fibroblast growth factor(bFGF)、Epidermal growth factor(EGF)、Transforming growth factor α(TGF-α)、が誘導されるか否かについてm-RNAと蛋白レベルから解析を進めている。 (1)腹膜播種結節から抽出したm-RNAを用いたRT-PCRによる解析 腹膜播種結節におけるVEGFの発現は開腹術後24時間めより増幅され、72時間めをピークとする。現在その機序および他の血管新生因子についてさらに詳細に検討を進めている。 (2)腹腔内洗浄液を用いたELISAによる測定 現在までに、TGF-αについて解析をしたが、サンプルが洗浄液であり、希釈物のため測定スケールに入らず、濃縮操作などの工夫を行い解析を進めている。 以上、腹膜播種における腫瘍血管新生因子の解析を進めている。手術操作により血管新生因子の誘導が増強される可能性が示されたので、次年度は、それらの因子の相互作用と生物学的意義についてさらに詳細に検討していく予定である。
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