1999 Fiscal Year Annual Research Report
クローン病腸管病変のコラーゲン分布-特に病変の形態と術後再発形式との関連について-
Project/Area Number |
10671206
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
杉田 昭 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (20187652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池 秀之 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60254174)
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Keywords | クローン病 / 腸管壁コラーゲン / 手術後再発 |
Research Abstract |
1.目的:腸管部位別のコラーゲン分布に差と、クローン病症例全体(回腸と結腸を含む)のコラーゲンを分析した。 2.対象、方法 1)腸管部位別のコラーゲンを対照群(回腸6例、結腸6例)、クローン病正常部(回腸12例、結腸20例)、病変部(回腸6例、結腸4例)で比較した。 2)回腸、結腸を含めたコラーゲン分布をクローン病正常部32例、peforating type(瘻孔型)5例、nonperforating type(非瘻孔型)9例、対照12例で比較した。 腸管壁のハイドロキシプロリン量(%)とコラーゲン分画(%)(type I,III,V)を測定した。 4.結果 1)腸管部位別の比較: ハイドロキシプロリン量は対照群、クローン病正常部、病変部で回腸、結腸間に差を認めなかった。Type Vは対照群で回腸5.58±1.70%、結腸7.16±0.89%と結腸で有意に高かった(p=0.037)が、クローン病正常部、病変部では差を認めなかった。TypeI、IIIはいずれの群でも差はなかった。 2)回腸、結腸を含めたコラーゲン分布: ハイドロキシプロリン量は各群で差はなかった。Type Vは対照6.38%、クローン病正常部5.46%、瘻孔型4.66%、非瘻孔型4.59%で瘻孔型、非瘻孔型は対照に比べ低値であった(p<0.05)。Type I、IIIは各群で差がなかった。 5.結語 腸管部位別には対照群でのみType Vが結腸で高い比率を占めた。クローン病では対照より病変部のType Vの比率が低かったが、瘻孔型と非瘻孔型で差はなかった。 6.今後の方針 従来の報告と異なり、クローン病のType Vは低値であった。今後更に測定症例を増やして瘻孔と狭窄部の病態の差を検討する。また術後再発とコラーゲン分析の結果との関連を検討する。
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Research Products
(1 results)