1998 Fiscal Year Annual Research Report
マトリライシンmRNA発現を利用した大腸癌リンパ節転移診断法の確立
Project/Area Number |
10671207
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
市川 靖史 横浜市立大学, 医学部, 助手 (70254208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 孝 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80275049)
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Keywords | マトリライシン / RT-PCR / 微小転移 |
Research Abstract |
マトリライシン(以下MATと略す)は大腸癌の90%以上と高率な発現が認められる一方でリンパ節などの非上皮細胞の発現はほとんど認められない.目的:大腸癌所属リンパ節の転移診断にRT-PCRを用いたMAT発現検索を利用し,その感度を従来の病理組織学的検討と比較した.方法:大腸癌15ffE例の標本から癌近傍のリンパ節5個ずつを採取し,各々を半切した後,一方はホルマリン固定,他方は液体窒素中で凍結保存した.固定標本からは臨床病理学的検討と同様の条件である2枚の薄切切片を作製しヘマトキシリンエオジン染色による鏡検を行い転移巣の有無を診断した.凍結標本からはmRNA抽出の後RT-PCRによりMATの発現を検索した.結果:15症例中14例で局所のMAT発現が確認された.この14症例70個のリンパ節中,病理学的に転移陽性と診断された10個のリンパ節では全てMATが陽性であった.病理学的に転移陰性と診断されたリンパ節60個のうちには8個のMAT陽性リンパ節が含まれており.このうち5個のリンパ節に対し10枚の追加薄切を作製し病理学的検討を行ったところ3個で微小転移が確認された.一方局所でMATが発現していなかった1症例の転移リンパ節中ではMATの発現は認められなかった.考察:マトリライシンに対するRT-PCRは大腸癌転移リンパ節診断に高感度で有効な方法と考えられた.
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Research Products
(1 results)