1999 Fiscal Year Annual Research Report
マトリライシンmRNA発現を利用した大腸癌リンパ節転移診断法の確立
Project/Area Number |
10671207
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
市川 靖史 横浜市立大学, 医学部, 助手 (70254208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 孝 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80275049)
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Keywords | マトリライシン / RT-PCR / 微小転移診断 |
Research Abstract |
大腸癌におけるマトリライシンmRNA発現を利用した、分子生物学的リンパ節微小転移診断は従来の一切片からの診断による病理学的診断に比較して感度が高いことはこれまでの報告の通りである。マトリライシンmRNA RT-PCRで転移陽性、病理学的には陰性となった症例のうち、検索可能であったものに対し、追加切片を作成して、更に10切片の病理学的診断を行ったところ、63%で微小転移が確認されたことを見ても、分子生物学的診断法による微小転移診断は正確であるものと考えられる。 ただし微小転移診断のもう一つの方向性として重要視されている血中癌細胞の診断については、マトリライシンmRNAによる診断法は極めて悪く、これまでに対照として行ったCEA mRNA RT-PCRで陽性とでた症例10例のいずれからも検出は不能であった。これには、マトリライシン分泌の、周囲環境による影響が大きいと考えられた。即ちマトリライシン分泌はこれまでの報告では局所よりも、転移巣で強く、またcell line化した大腸癌細胞も、vitroでの培養状態よりも、nude mouseの肝臓中での発現が強く、一方でnude mouse内でも脾臓、あるいは皮下では発現が減弱している事を考えると、血中でのマトリライシン分泌は強く抑制されているものと考えられた。以上の内容は第4回神奈川癌転移外科研究会(1999.1.23)発表、および第94回米国癌学会(AACR)(2000.4.5)での発表予定が成されている。
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Research Products
(1 results)