2000 Fiscal Year Annual Research Report
マトリライシンmRNA発現を利用した大腸癌リンパ節転移診断法の確立
Project/Area Number |
10671207
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
市川 靖史 横浜市立大学, 医学部, 助手 (70254208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 孝 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80275049)
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Keywords | マトリライシン / 微小転移 / RT-PCR |
Research Abstract |
大腸癌におけるマトリライシンmRNA発現を利用した分子生物学的リンパ節微小転移診断が従来の一切片からのみの病理組織学的診断よりも優れていること、また同様の遺伝子学的診断法であるmutated k-rasの検索よりも高感度であることはこれまでの報告通りである。ただし血中の癌細胞の確認のためには、マトリライシンよりもCEA mRNAを利用すべきであることも、前回報告通りである。 これに従い、マトリライシンmRNA RT-PCRを用いたリンパ節転移診断と、従来の病理組織学的診断の両者を行い、予後との関係を検討している。現在のところマトリライシンmRNAによる診断法でのみリンパ節転移が認められた症例中に、いまだ特別な転移形式の表出は認められない。 リンパ節転移診断の際のマトリライシンmRNA発現に対するPCR法にもfalse positiveの可能性は残っており、これまでの定性的なRT-PCRから定量的な、RT-PCRの開発が必要であると考えられる。我々は、定量的PCR法であるTaq Man PCR法を用い、マトリライシンmRNA定量法を開発中であり、これによりcut-off値を計算することで、これまでのfalse positiveを減少させることが出来るものと考えている。現在のところマトリライシン高発現ヒト大腸癌細胞株Car1を用いてのspike testを終了しヒト検体を用いた研究を開始するところである。
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