1998 Fiscal Year Annual Research Report
下肢運動神経交叉ふん合法による肛門括約筋萎縮の改善と便失禁治療法の開発
Project/Area Number |
10671214
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 知行 自治医科大学, 医学部, 助手 (50225976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬川 了 自治医科大学, 医学部, 助手 (80254928)
小西 文雄 自治医科大学, 医学部, 助教授 (20142242)
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Keywords | 外肛門括約筋 / 便失禁 / 交叉吻合 / 抹消神経 / 陰部神経 / 分娩 / 骨盤底 / 神経伝導速度 |
Research Abstract |
本年度は以下の2項目の研究を行った. 1. 犬を使った実験的検討 犬十頭を用い、外肛門括約筋を脱神経させた後、大腿二頭筋神経交叉吻合し、外肛門括約筋が脱神経性萎縮から逃れうるかどうか、実験的に検討した。筋肉の評価は、ATPase染色によるI型繊維と2型繊維の比率、およびそれぞれの筋繊維の直径の変化を見て、行った。また、筋電図による変化をも検討した。結果は、大腿二頭筋神経を交叉吻合された外肛門括約筋は、脱神経性萎縮を逃れ、また、その筋繊維は、肥大化し、大腿二頭筋化することが確かめられた。筋電図的にも、大腿二頭筋の特徴を獲得し、脱神経性萎縮から回復していた。この結果は、米国学術誌Disease of the colon and rectumに、掲載予定である。来年度、その筋肉の機能的な側面を検討する予定である。 2. ヒトを用いた、骨盤底機能の検査法の開発。 ヒトボランチア用い、骨盤底筋群を支配する神経の伝導速度を筋肉別に求め、陰部神経の障害を調査する新しい、検査法を開発した。これは、便失禁症の治療に先立ち、その診断と分類、および重症度を評価するためにぜひ必要な検査法となろう。結果は、仙骨神経根部から骨盤庭筋群までの神経伝導時間は、腹側から順に約4ms、6ms、8ms、および10msであり、それぞれ、有意に異なっていた。この方法を用い、従来検討できなかった詳細な骨盤底の評価が可能になった。この成果は英国学術誌CUTに投稿中である。現在、この方法を用いて、分娩時の陰部神経障害を調査中である.
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Research Products
(1 results)