1998 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系を介した新らしいバクテリアルトランスロケーションに対する治療法の確立
Project/Area Number |
10671232
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
山崎 国司 久留米大学, 医学部, 助手 (00200642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 秀樹 久留米大学, 医学部, 助手 (10268899)
貝原 淳 久留米大学, 医学部, 助手 (20204315)
吉田 祥吾 久留米大学, 医学部, 助手 (30191589)
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Keywords | バクテリアルトランスロケーション / 脳内サイトカイン / 消化管粘膜 / オピオイド拮抗物質 |
Research Abstract |
本年度の研究では、侵襲の程度によってバクテリアルトランスロケーションの程度がことなることから、侵襲の差異による消化管粘膜のTNF-a mRNAの発現と脳内TNF-a mRNAの発現について検討した。大きな侵襲では小さい侵襲に比べて脳内のTNF-a mRNAの発現量は増加するが、消化管粘膜では差異を認めなかった。このことから、消化管粘膜のTNF-aはバクテリアルトランスロケーションの程度にはあまり深く関与していないことおよびバクテリアルトランスロケーションには中枢神経を介した消化管粘膜の制御が重要であることが再確認された。我々は脳室内にTNF-aを注入することによって、消化管粘膜のturnoverの亢進を認めることを平成9年度に報告したが、平成11年度には脳室内のTNF-a投与によるバクテリアルトランスロケーションの発症を確認する前に中枢神経と消化管粘膜の連絡機構の解明を行う。すなわち、ラットの脳室内にTNF-aを注入し、catecholamineを抑制するためにハイドロキシドーパミンを前投与し消化管粘膜のturnoverの変化についてアイソトープを用いて検討すると共に粘膜の病理学的変化についても検討する。また、別の実験系で動物の飢餓時にみられる脳内サイトカインとモルヒネが増加することおよび飢餓時には消化管粘膜の萎縮がおこることから、モルヒネの効果を抑制する目的でナロキソンを投与し、飢餓時の粘膜の萎縮が予防できるか否かを検討する。
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