1999 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系を介した新らしいバクテリアルトランスロケーションに対する治療法の確立
Project/Area Number |
10671232
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
山崎 国司 久留米大学, 医学部, 助手 (00200642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 英樹 久留米大学, 医学部, 助手 (10268899)
貝原 淳 久留米大学, 医学部, 助手 (20204315)
吉田 祥吾 久留米大学, 医学部, 助手 (30191589)
田尻 鉄郎 久留米大学, 医学部, 助手 (10299464)
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Keywords | 消化管粘膜 / オピオイド / 中枢神経 / ナロキソン / 外科侵襲 |
Research Abstract |
平成11年度はオピオイドレセプターが消化管粘膜の構築に及ぼす影響について解明する目的で24時間の飢餓ラットにオピオイドレセプター拮抗物質であるナロキソンを静脈内に持続注入した。ナロキソンは24時間飢餓ラットの空腸粘膜の絨毛高の減少を抑制し、また、飢餓ラットの粘膜重量、粘膜蛋白量の減少も抑制した。さらに、門脈と動脈血のロイシン濃度を測定したところ、ナロキソンの投与によってロイシンの門脈-動脈較差は負となり、腸管からのロイシンの放出が減少していることが推察された。24時間の飢餓によって脳内のモルヒネ濃度は増加し、ナロキソンの投与によってさらに増加した。血中のモルヒネ濃度は飢餓によって自由経口摂取群と比べて差異を認めなかったが、ナロキソンの投与によって増加した。これらの結果から、飢餓時に認められる粘膜の萎縮にはオピオイドが関与していることが示唆された。しかし、脳内のオピオイドまたは腸管粘膜のオピオイドが影響しているか否かは本実験では解明できなかった。末梢のオピオイドは腸管粘膜の増殖を抑制すると言われているが、飢餓では腸管粘膜の増殖をナロキソンによって直接促進するというよりは粘膜のアポトーシス、蛋白崩壊、ロイシンの放出という流れの方が説明しやすく、おそらく中枢神経を介したオピオイドの作用によって上記のメカニズムが活性化されると考えられる。平成12年度にはオピオイドが中枢神経に作用し、いかに消化管粘膜と連結しているのか解明する。
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Research Products
(1 results)