1999 Fiscal Year Annual Research Report
心臓異種移植におけるアポトーシス抑制による新しい拒絶反応抑制法の開発
Project/Area Number |
10671237
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
近江 三喜男 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00144931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 斉 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (80282127)
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Keywords | 心臓移植 / 異種移植 / アポトーシス |
Research Abstract |
【目的】異種心臓移植(ハムスターからラット)における拒絶反応の病理学的所見、浸潤細胞の同定、およびapoptosis関連蛋白の経時的発現を明らかにし、アポトーシスと拒絶反応の関係を検討する。 【方法】Golden Syrian Hamsterをドナー、Lewis Ratをレシピエントとし異所性異種心移植モデルを作成した。移植後0、4、8、24、48時間に移植心を摘出し、HE染色、TUNEL染色、抗Fas抗原抗体による免疫染色を行った。 【結果】HE染色:4〜8時間後の標本に大きな形態的変化は認めなかった。24時間後より血管周囲にneutophil様の炎症性細胞の浸潤を認めはじめ、48時間後には特に心外膜下及び心内膜下の心筋に巣状に浸潤していた。lymphocyteの浸潤は全経過を通してわずかに認めたのみだった。48時間後には心筋細胞の壊死像を多数認めた。4〜48時間までの標本にthrombosisを伴ったvasculitisは認めなかった。HE染色では移植後24時間まで心筋傷害は軽度であった。移植後24時間より血管周囲に炎症性細胞侵潤を認め、移植後48時間では心外膜下及内膜下の心筋に強く侵潤していた。Lymphocyteの侵潤は全経過を通じてわずかであった。 TUNEL染色:移植後4時間から48時間まで心内膜、血管内皮細胞核が陽性であった。 Fas:移植後4時間から8時間まで心内膜、血管内皮細胞核がFas陽性で移植後8時間以降は免疫反応は減少した。 【結論】以上より、concordant異種移植では、浸潤細胞がneutrophil主体である点で、同種移植と大きく異なっていた。異種心移植における拒絶反応では形態的変化が認められる以前にFas抗原によるアポトーシスが心内膜、血管内皮で進行していると考えられ、アポトーシス抑制により拒絶反応が抑制される可能性が示唆された。
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