1998 Fiscal Year Annual Research Report
無呼吸下停止心ドナーからの多臓器提供システムの開発に関する実験的検討
Project/Area Number |
10671254
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福嶌 教偉 大阪大学, 医学部, 助手 (30263247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 肇 大阪大学, 医学部, 助手 (60303939)
南 正人 大阪大学, 医学部, 助手 (10240847)
白倉 良太 大阪大学, 医学部, 教授 (00116047)
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Keywords | 多臓器移植 / 無呼吸下停止心ドナー / 経皮的体外循環 / ビーグル犬 / 心、肺、腎移植 |
Research Abstract |
本研究の目的は、呼吸停止により心停止に至ったドナー(Non-heart-beating-donor)から心臓を含む多臓器を利用するためのシステムを確立することである。具体的には、1。開胸することなくNon-heart-bcating-donorから心臓を含む多臓器の再生する方法を開発すること、2。これらの臓器を摘出し、移植後慢性期までの影響を検討すること、3。摘出直前に臓器のviabilityを評価(即ち移植後の機能の予測)できるようにすること、4。最終的には臨床応用可能な多臓器提供システムを確立することである。本年度は、開胸することなくNon-heart-beating-donorから心臓を含む多臓器(肺、肝、腎など)の再生する方法を検討した。方法:prostacyclin、verapamil、propranololの3剤を20分間前投薬した後に、ビーグル犬の呼吸を停止させ心停止とした。30分間臓器を体内で放置した後、前述3剤とFUT175を充填液内に添加した経皮的体外循環で1時間全身を再潅流し、心、肺、腎を摘出した。心、肺を各々24時間、1時間保存後同所性に、腎を3時間保存後異所性に移植した。結果:全例、ドナーの呼吸停止後心室細動を経ることなく20分以内にドナー心は停止した。心臓移植後、全例でカテコラミンを投与することなく人工心肺から離脱し、全例閉胸可能であった。移植肺の肺静脈血の酸素分圧、二酸化炭素分圧は非移植肺と同程度であった。移植腎は再潅流後すぐに尿を産生し、クレアチニンクリアランスは正常腎と同程度であった。結論:無呼吸停止心ドナーに前処置、経皮的体外循環による臓器再生を行うことにより、そnドナーから摘出した心、肺、腎が、移植後に正常と同程度の機能を示すことが確認された。この方法を用いることにより、無呼吸停止心ドナーからの臓器提供の可能性が示唆された。
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