1999 Fiscal Year Annual Research Report
血行再建不能な虚血性心疾患に対する血管新生促進療法に関する研究:血管新生因子HGFの遺伝子導入併用TMR法の確立
Project/Area Number |
10671255
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Research Institution | YAMAGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高橋 俊樹 山形大学, 医学部・第二外科, 講師 (50263257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大泉 弘幸 山形大学, 医学部・第二外科, 講師 (40250930)
箕輪 隆 山形大学, 医学部・第二外科, 助手 (50292420)
乾 清重 山形大学, 医学部・第二外科, 助手 (70250941)
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Keywords | レーザー心筋内血管新生術 / 血管新生因子 / HGF / 虚血性心疾患 / 慢性心筋虚血 / 局所心筋血流量 / 心機能 |
Research Abstract |
近年、瀰漫性冠動脈病変による慢性心筋虚血に対し血管新生因子の心筋内注入法の臨床応用が期待されているが、その治療効果については未だ充分に明らかにされていない。hepatic growth factor(HGF)はvascular endothelial growth factorなどの他のgrowth factorよりも血管新生作用があると注目されつつある。今回、慢性心筋虚血に対するHGF心筋内注入法の有用性について、既に臨床応用されているレーザー心筋内血管新生術(TMR)との比較検討を行った。 【対象及び方法】ビーグル犬の第一対角枝分岐直後の左前下行枝(LAD)を結紮して慢性心筋虚血モデルを作成。一カ月後にLAD領域にHGF心筋内注入(H群:n=4)、TMR(T群:n=6)、生食心筋内注入(C群:n=5)を施行し、各術後一カ月後にmicrosphereを用いて局所心筋血流量(MBF:Cx領域を100%)を、ドブタミン負荷心エコーを用いて局所心機能(SS:心筋壁厚の変化率、Cx領域を100%)を、proliferating cell nuclear antigenを用いた免疫染色により単位面積あたりの血管数を計算し各々について比較検討した。 【結果】MBFはT群の73±8%、C群の59±5%に比しH群の101±6%が有意に高値であった。SSはT群の21±36%、C群の36±11%に比しH群の68±19%が有意に高値であった。また、単位面積あたりの血管数はT群、C群に比しH群で有意に高値であった。 【まとめ】HGF心筋内注入法はTMRに比し有意に局所心筋血流を増加し局所心機能を改善させた。本法は慢性心筋虚血に対する心筋内血管新生術として極めて有用であると考えられた。
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