1999 Fiscal Year Annual Research Report
心臓外科領域における完全無輸血および低侵襲手術を目指した次世代型人工心肺の開発
Project/Area Number |
10671256
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西村 元延 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90291442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 芳樹 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00243220)
大竹 重彰 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50243209)
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Keywords | ハイブリット型人工肺 / 血管内皮 / 抗炎症性サイトカイン / プラズマ放電 / prostacyclin |
Research Abstract |
当施設においては、次世代型の人工心肺の開発を目指している。埋め込みも考慮にいれた、より生体適合性を獲得した人工心肺の基礎実験を施行してきた。 これまでに、ラット体外循環モデルを確立し、これを用いて体外循環炎症病態の解析を行った。充填量5mlの人工肺をポリプロピレン中空糸を用いて作製し、これに小型ローラーポンプを組み合わせて体外循環回路を作製した。これを用いてラットの体外循環を行い、1時間の安定した潅流が得られるモデルを開発した。このラット体外循環モデルを用いて、体外循環下での炎症病態生理の解明、更には各臓器における組織levelでの炎症細胞浸潤及びその活性化を検討した。引き続き、抗炎症性サイトカインであるIL-10、NOの合成酵素であるc-DNAを我々が従来用いているHVJ-リポソーム法により血管内皮細胞に遺伝子導入し、多機能性血管内皮細胞を作成、培養した。また、これらの蛋白発現を確認した。これまでに作成した多機能性血管内皮細胞の人工肺外膜及び内膜表面への細胞接着を試みるとともに、その細胞接着効率及び耐久性上昇のための改良を行った。具体的には、現在臨床応用されている疎水性のポリプロピレン中空糸をプラズマ放電処理することにより親水性とし、細胞接着効率及び耐久性が上昇するか否かを検討した。その効果については、本年度においても引き続き継続中である。さらに抗血小板凝集作用を有するprostacyclin合成酵素を含めた抗炎症性因子産生能を有した多機能性血管内皮細胞のラット体外循環モデルでの炎症抑制効果及び血小板吸着抑制効果を検討する。この結果をふまえ、もっとも炎症抑制に効果のある多機能性血管内皮細胞、肺胞上皮細胞を接着させたHybrid人工肺を作成する。
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