1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671262
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
前田 肇 香川医科大学, 医学部, 教授 (00075508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴原 由一 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (50244025)
小江 雅弘 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00279340)
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Keywords | 意識下 / 心タンポナーデ / ショック / 腎交感神経活動 / オピオイドレセプター / 頸動脈大動脈弓圧受容器 / 心臓神経 |
Research Abstract |
心タンポナーデ時には、動脈血圧が低下し中心静脈圧が上昇する。この時の圧受容器と容量受容器に対する相反する入力に対して、出力系である腎交感神経活動の変化を調べた。意識下ウサギ心タンポナーゼモデルを作成しその腎交感神経活動を測定した。グループは4グループとし、すべての反射系が正常なIntactグループ、頚動脈大動脈血圧調節系を外科的に除神経したSADグループ、心嚢内にプロカインを注入し心臓神経を薬物的に除神経したIP-Proグループ、そして心嚢内プロカインに対してのコントロールとして静脈内にプロカインを注入したIV-Proグループで行った。また、心タンポナーデの後に静脈内にオピオイドレセプターのブロッカーであるナロキソンを投与しその関与も検討した。結果はIntactグループとIV-Proグループでは、腎神経活動は2相性の変化を示した。心嚢内に生食を注入していくと動脈血圧は比較的保たれているが、腎神経活動は次第に増加し生食注入量が7.7mlで226%とピークを示した。その後さらに生食を注入すると動脈血圧は急激に低下し腎神経活動も実験前の安定期よりさらに減少した。この後ナロキソンを投与すると動脈血圧、神経活動とも増加を示した。SADグループでは動脈血圧の容易な低下は認めたが腎神経活動の増加も減少も認めなかった。しかし、ナロキソン投与により動脈血圧、神経活動とも増加した。IP-Proグループでは動脈血圧はintactグループ同様に変化し、腎神経活動の増加は認めたがその後の減少は認めず、またナロキソン投与による変化も認めなかった。以上の結果より、本研究では意識下ウサギ心タンポナーゼモデルにおいて腎神経活動は2相性に変化し、その増加には頸動脈大動脈弓圧受容器が関与し、その減少には心臓神経が関与していることが考えられ、また、腎神経活動の低下にはオピオイドレセプターの関与も示唆された。
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Research Products
(1 results)