1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671264
|
Research Institution | Saga Medical School |
Principal Investigator |
大坪 諭 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20291528)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 正勝 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20284648)
内藤 光三 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (20217623)
伊藤 翼 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (10110496)
|
Keywords | 僧帽弁閉鎖不全 / 人工腱索 / 内視鏡 |
Research Abstract |
(方法)雑種成犬を用い上行大動脈送血、右房脱血により人工心肺を還流し、心停止し、僧帽弁逸脱弁に人工腱索を逢着した後、心拍動を再開させ、その後Tyroid液の還流により僧帽弁を心拍動下に観察した。人工腱索は左室内側から心外膜まで貫通させ長さを調整した。僧帽弁の可視化においては左房天井に8mmの人工血管を縫合しこれより内視鏡を挿入した。 (結果)内視鏡下に人工腱索の長さを調整することにより、僧帽弁逆流の程度は著明に変化し逆流が最小になった時点で僧帽弁接合面積は最大値となった。この時相は収縮末期と同時期であった。(問題点と今後の課題)コンピューターによる面積トレーシングにより弁接合面積を実測し定量化することに成功したが、僧帽弁弁輪の動きは左心室長軸方向に拍動とともに変動し、複雑な3次元変位を伴うことにより、内視鏡面像からの面積定量に誤差を生じる場合があった。このため人工弁輪を縫着し、その弁輪にグリッドを表記しreferenceとして用い、面積測定を精密化させた。しかしながらトレース操作は徒手的であり、検者の判断におおきく左右される点に問題があった。僧帽弁閉鎖不全の慢性モデルは作成が困難で、初回術後心不全で死亡することがあり、一定の程度の逆流を作成することは困難であった。このため2期手術までの間隔が各データでまちまちとなった。今回の実験ではMRをきたした僧帽弁の弁輪の動きは正常弁の弁輪運動より変化、変位していることが示唆された。これにより2次的な弁輪拡張をきたすことが予想されたがその因果関係を究明することは興味深いと考えられた。今後は弁輪のみならず、左室側からの僧帽弁観測をおこない、腱索の収縮弛緩運動を観察することが課題であり、これは人工腱索の付着方法や長さ決定に影響を与える可能性がありこれを実験的に実証する意義があると考えられた。
|
-
[Publications] Satoshi Ohtsubo: "Successful valve-sparingin aortic root recoustraction under endoscopic guidance"European Journal of Cardio-Thoracic Surgery. (in press). (2000)
-
[Publications] Kojiro Furukawa: "Doesdilatation of the sinotu bular junction cause aortic regurgitation?"Annals of Thoracic Surgery. 68. 949-954 (1999)
-
[Publications] 伊藤 翼: "大動脈基部再建-問題点と工夫"日本胸部外科学会. 9 (1999)