1999 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍におけるcip/kip family の発現と制御
Project/Area Number |
10671293
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
中州 敏 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (00135477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 正之 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (40283569)
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Keywords | p27^<kip> / p21^<cip1> / p57^<kip2> / MIB-1 / glioma / meningioma / craniopharyngioma |
Research Abstract |
astrocytoma系の腫瘍ではp27はMIB-1などの増殖マーカーと相反的に出現することを確認した。しかし、増殖能が高いにもかかわらずp27が高頻度に出現しているものがあり、腫瘍によるばらつきを認め、他の要因も働いていると考えられた。そのため、p27に関連する各種の細胞周期関連蛋白の出現を調べたところ、cyclin Eとc-mycの出現がある場合に増殖能の高い腫瘍でもp27が高頻度に発現している傾向がつかめ、ウエスタンブロッティングで確認中である。またp57の発現は正常のastrocyteやreactive astrocyteではほとんど見られないが、腫瘍内ではしばしば認められ、比較的p21に似た分布を示した。 一方、髄膜腫ではこの様な関係がなくp27やp21よりもp16がとくに増殖の低い腫瘍での増殖抑制に関わっているのではないかと示唆される結果が得られつつある。 頭蓋咽頭腫では、皮膚などの他の上皮組織に似たcip/kip familyの発現があるが、出現形式が不均一となっており、とくにp27の出現が低下する傾向にあった。 また下垂体組織での放射線照射後のp27、p21、p16の発現経過を追跡しており、p27が一過性に減少することと一過性の増殖の上昇が一致しておこることを学会報告し、論文作成中である。
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