1998 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍の治療計画の新しい評価法-MRSによる悪性度の診断(基礎と臨床研究)-
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10671294
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
椎野 顯彦 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50215935)
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Keywords | 核磁気共鳴 / スペクトロスコピィー / 脳腫瘍 / クレアチン / コリン / 壊死 / 悪性度 |
Research Abstract |
In vivo MR Spectroscopy(MRS)により、脳腫瘍の悪性度(増殖率)が正確に予測可能か、MIB-1染色率の結果と対比させ検討中である。これまでに10症例を検討した。内訳は、髄膜腫7例、神経膠腫3例。術前にin vivo proton MRSにより、chorine(Cho)/creatine(Cr)比を求めた。手術により摘出した標本の一部を液体窒素にて凍結し保存した。MIB-1染色率(SI)との比較では、すでにMIB-1 SIとCho/Cr比に相関を認めている。以前の20症例とともに英語論文としてまとめ、近日中に投稿予定である。さらに、MR画像による髄膜腫の悪性度診断とMRSとの比較を放射線科医と共同で行った。この結果は、英語論文としてまとめる予定である。今後、a)細胞密度との比較、in vitro proton MRSにより、phosphocholin(PC)、glycerophpsphorylcholine(GPC)、choline(Cho)の各成分の量を求める、b)HPLCによりPC、GPC、Choの各成分の量を求め、さらに詳しく検討し学会で発表する予定である。本学では平成10年12月より、In vivo MRS装置の改良工事に入り、平成11年2月末に終了し、3月2日より研究が再開可能となった。新しい装置は、選択範囲の水のプロトン量をもとに、Choやcrの定量が可能であることから、現在、ファントムにより精度を検討している。今後、臨床例でのin vivoでの定量精度をin vitro protonとの測定結果と比較検討する予定である。 組織の壊死に伴うcholine/creatineと-CH2-の変化を経時的に観察した。症例は、髄膜腫の2症例である。塞栓術後に手術で摘出した腫瘍を液体窒素で保存した。症例数がまだ少ないので、データ収集中である。最近の論文で、-CH2-の信号の由来は、必ずしも壊死巣ばかりではないとの報告もあり、それをふまえて検討する予定である。
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