1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671319
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
新井 一 順天堂大学, 医学部, 助教授 (70167229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮嶋 雅一 順天堂大学, 医学部, 講師 (60200177)
屋田 修 順天堂大学, 医学部, 講師 (30265996)
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Keywords | 羊膜細胞 / 培養細胞 / 神経移植 / 神経幹細胞 / 神経分化 / 脳虚血 |
Research Abstract |
目的:神経幹細胞としての分化能を有している可能性のある培養羊膜細胞を、虚血脳に移植しこれらの細胞が最終的に神経細胞として機能し得るか否かについて検討した。方法:(1)妊娠ラットより培養羊膜細胞を樹立しDMEM培養液およびNeurobasal medium(Gibco)により培養した。(2)上記(1)の細胞を、各種抗体により免疫組織染色した。(3)砂ネズミ両側総頚動脈閉塞モデル及び自然発症高血圧ラット中大脳動脈閉塞モデルの動物脳に、上記(1)の培養羊膜細胞を定位脳手術的に移植した。一定期間の後に動物脳を還流固定、連続脳切片を作成し羊膜細胞が虚血巣に生着しているか否かを検証した。同時に、一部の切片は上記(2)と同様の免疫染色に供した。結果:(1)ラット羊膜細胞をNeurobasal mediumで培養すると、細胞は神経細胞様の形態を呈し、免疫組織学的には各種神経細胞マーカーに対し陽性となった。(2)脳内移植実験では羊膜細胞は6ヵ月間脳内に生着しており、やはり各種神経細胞マーカーに陽性であった。また、一部の細胞は細胞突起様の構造を有していた。考察:今回の実験結果は、培養羊膜細胞が移植後長期にわたり虚血脳に生着し、さらにこれらの移植細胞は神経細胞様に分化する可能性を示すものであった。結論 : ラット羊膜細胞の一部は神経細胞様に分化し、この特性は脳内移植後も保持されている可能性が示唆された。
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