1999 Fiscal Year Annual Research Report
脳親和細胞を用いた脳虚血に対する新しい治療法の開発
Project/Area Number |
10671329
|
Research Institution | Fujjita Health University |
Principal Investigator |
今井 文博 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (20288476)
|
Keywords | ミクログリア / 遺伝子治療 / 神経細胞死 / 海馬 / TUNEL / 血液脳関門 |
Research Abstract |
我々はこれまで分離培養したミクログリア、又は株化ミクログリアをラットの血中に投与すると、血液脳関門を通過して脳実質内に侵入することを報告してきた。続いて、in vitro において90%以上の高い効率でLacZ遺伝子を導入することに成功し、この細胞をラットの血中に投与すると、脳内においてβ-ガラクトサイ-デースが発現することをX-gal染色にて確認した。また、β-ガラクトサイ-デースの発現が脳に特異的であることをβ-ガラクトサイ-デ-ス アッセイを行い、脳と他臓器との比較することにより明らかにした。 今回我々は、平成11年度の科学研究費を用いて外因性ミクログリアの脳内病巣への遊走能及び、脳内病巣に対する影響を調べた。 PKH-26にて蛍光標識したミクログリアを砂ネズミの一過性前脳虚血虚血モデルの血中に投与し、タイムコースをとったところ、細胞注入24時間後には脳全体への蛍光細胞の侵入は認められたものの、海馬には蛍光細胞はほとんど認められなかった。しかしながら、TUNEL法にてCA1における遅発性神経細胞死(DND)が確認される時期に一致して蛍光細胞がCA1に集積するのをTUNEL染色とPKH-26染色による二重染色法にて確認した。また、蛍光細胞が、ミクログリアであることを確認するために、抗サイモシン抗体、及びレクチンにて染色した。その結果、海馬におけるPKH-26陽性細胞が全てサイモシン、又はレクチン陽性であることよりミクログリアであることが確認された。また、一過性脳虚血モデルの海馬CA1におけるTUNEL陽性細胞と正常錐体細胞をカウントしたところ、コントロール(sham operation)と比較して、CA1におけるTUNEL陽性細胞が少なく、正常錐体細胞が多かったことより、ミクログリアにはDND抑制作用があることが証明された。
|
Research Products
(1 results)