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1998 Fiscal Year Annual Research Report

アデノウィルスベクターによる脊髄損傷治療の基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 10671346
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

阿久根 徹  東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60282662)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田中 栄  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50282661)
中村 耕三  東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (60126133)
五嶋 孝博  東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (20272544)
Keywordsアデノウィルスベクター / 脊髄損傷
Research Abstract

脊髄損傷モデルラットの作成
ラットの下行路は生後3週までに形成されるとされ、脊髄損傷後の再生を検討するためには下行路形成が完成した4週令以降のラットを用いる必要がある。我々は生後5-6週の雄SDラット6匹を用い、第10胸椎レベルで脊髄を鋭的に完全切断し脊髄損傷モデルラットを作成した。下肢の運動機能を週1回、術後6週まで経時的に評価した。術直後、下肢は完全な弛緩性麻痺を呈した。2週後、股関節、膝関節、足関節のいずれかに軽微な自発的な運動がみられるラットが出現したが6週までにそれ以上の改善はなかった。下行路の再生を評価するため順行性のトレーサーであるWGA-HRPを頚髄に注入後48時間で脊髄の矢状断凍結切片を作成しTMB法にて観察した。脊髄切断部には空胞と瘢痕が形成されWGA-HRPでラベルされた下行路は脊髄損傷部で停止していた。このことから観察された下肢の動きは損傷部より下位での脊髄反射によるものと考え、自発的な回復が見込めない脊髄損傷モデルラットが適切に作成されたと判断した。
アデノウィルスを用いた遺伝子導入
脊髄損傷への遺伝子治療を行う準備としてLacZ遺伝子を組み込んだアデノウィルス(東京大学医科学研究所 斉藤泉博士より供与)の感染範囲を検討した。上記モデルラットの損傷胸髄にウィルス液を注入した。1週間後、脳と脊髄の凍結切片を作成、LacZ遺伝子によるβ-gal発現をX-gal染色にて確認した。胸髄では注入側で注入部周囲、後索および灰白質第9層にβ-galが発現していた。脳では赤核、青斑核でβ-gal発現があった。ウィルス刺入部周囲のみならず脳内神経核で遺伝子発現があった理由はアデノウィルスが軸索から取り込まれ逆行性に細胞体まで運ばれたためと推測された。以上より脊髄損傷部へ軸索を送る神経細胞への遺伝子導入にアデノウィルスは有用であると考えられた。

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Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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