1999 Fiscal Year Annual Research Report
老化促進マウスの椎間板変性に関する分子生物学的解析-老化の機序解明をめざして-
Project/Area Number |
10671369
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Research Institution | KAGOSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松永 俊二 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (90229500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 秀作 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (70041663)
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Keywords | 老化促進マウス / 椎間板 / 骨形成蛋白 / サイトカイン / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
近年骨・軟骨組織におけるtransforming growth-β(TGF-β)やBMP(bone morphogenetic protein)を中心とした成長促進因子の役割に関する分子生物学的研究が進み、その重要性が指摘されている。椎間板の変性過程におけるTGF-βやBMPの役割についての報告は、現在までなされていない。本研究では老化の機序を解明することを目的に椎間板変性過程におけるTGFーβやBMPの発現と局在を明らかにし、その役割について検討した。平成10年度は老化促進マウス頚椎椎間板について組織学的観察とBMP,及びBMP受容体の発現と局在の観察を行った。11年度は週令4週、8週、16週、24週、32週、50週の老化促進マウス頸椎椎間板についてBMPと同様に重要なサイトカインであるTGF-βおよびその受容体蛋白の局在の変化を観察した。老化マウスの週令8週まではTGF-β1、-β2、-β3、およびI型レセプター、II型レセプターが椎間板全体に広く発現していた。しかし、週令が20週、50週と進むにつれてTGF-βおよびレセプターともに発現が低下していった。特にTGF-β2とII型レセプターは著しく発現が低下した。TGF-βは細胞の増殖抑制や組織の線維化に関係している。本研究で観察された所見は椎間板の変性過程においてTGF-βが重要な役割を有することを示唆している。今後細胞内へTGF-βとBMPの情報を伝達する役割をもつSmad蛋白の発現やTGF-βと椎間板細胞のアポプトーシスとの関係などへ研究を発展させる予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] N.Origuchi, Y,Ishidou, T.Nagamine, T.Onishi, S,Matsunaga, H.Yoshida, T.Sakou: "The spatial and temporal immunolocalization of TGF-β, and bone morphogenetic protein-2/-4 in phallic bone formation in Iphied Sprague male rats"In Vivo. 12. 473-480 (1998)
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[Publications] Y.Yazaki,S.Matunaga,T.onishi,Tnagamine,Noriguchi,T.ynamoto it al: "Immunohistochemical localization of bone morphogenetic proteins and receptors in epiphyseal growth plate"Anticancer Res. 18. 2339-2344 (1998)
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[Publications] R.Takae,S.matunaga,N.origuchi,t.Yamamoto,N.morimoto,S.Suzuki: "Immunolocalization of bone morphogenetic protein and its receptors in degenorations of inter vertebral disc"Spine. 24. 1397-1401 (1999)
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[Publications] 松永俊二、大西俊之、矢崎雄一郎他: "BMPと骨・軟骨形成"整形、災害外科. 42. 927-936 (1999)